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統合失調感情障害(スキゾアフェクティブ障害)の方へ
「こころの揺れ」に丁寧に寄り添うカウンセリングの力
統合失調感情障害(スキゾアフェクティブ障害)は、統合失調症と気分障害の両方の特徴をあわせ持つ複雑な精神疾患です。
幻覚や妄想といった統合失調症の症状と、うつや躁のような感情の波が交互または同時に現れることが多く、「自分でも自分をつかみにくい」状態が続きやすいという特徴があります。
症状が多面的であるため、本人も周囲も混乱しやすく、治療や支援が難しく感じられることも少なくありません。
そこで重要になるのが、「心の状態を丁寧に見つめる」カウンセリングの存在です。この記事では、スキゾアフェクティブ障害に対するカウンセリングの可能性と、その役割について詳しく解説していきます。
統合失調感情障害とはどんな病気?
統合失調感情障害は、統合失調症と双極性障害(躁うつ病)またはうつ病の両方の症状をあわせ持つ疾患です。
以下のような症状が一定期間、同時または連続して現れるのが特徴です。
統合失調症の症状(陽性症状)
- 幻聴(実際には存在しない声が聞こえる)
- 妄想(誰かに監視されている、狙われていると強く思い込む)
- 思考のまとまりがなくなる(話が飛び飛びになる)
気分障害の症状
- うつ状態(意欲低下、自己否定、不眠、食欲不振など)
- 躁状態(気分が高揚し、活動的になりすぎる、衝動的な行動)
どちらか一方だけではなく、両方の症状が組み合わさることで、本人の苦しみはさらに複雑になります。
「妄想があるのに落ち込みが強い」
「気分は高揚しているけど、幻聴が止まらない」
「症状が日によってまるで別人のようになる」
こうした状態に、本人も家族も翻弄されてしまうことがあるのです。
治療の基本は薬物療法+心理的サポート
統合失調感情障害の治療は、抗精神病薬と気分安定薬(または抗うつ薬)などを組み合わせた薬物療法が中心となります。
しかし、症状が不安定になりやすい病気だからこそ、「心の揺れを見つめ、安心して話せる場所」=カウンセリングの存在が非常に大きな意味を持ちます。
薬では届かない感情や思考の部分にアプローチし、回復のプロセスを支えるのが心理的支援の役割です。
カウンセリングにできること
統合失調感情障害の方に対して、カウンセリングが果たす具体的な役割を以下にまとめます。
1. 複雑な症状を一緒に整理する
スキゾアフェクティブ障害の症状は多様で、日によって変化するため、「自分がどうなっているのか分からない」という不安を感じる方も多いです。
カウンセラーと一緒に症状や気分の変化を見つめながら、
- 「幻聴や妄想が出やすい時期」
- 「気分が落ち込みやすい環境」
- 「エネルギーが高まりすぎる兆し」
など、自分自身のパターンをつかんでいくことができます。これは再発予防や日常生活の安定にもつながる重要な作業です。
2. 感情を受け止める「安心の場」になる
躁状態やうつ状態のときは、気持ちが大きく揺れ動き、本人もその理由が分からず苦しむことがあります。
「どうしてこんなにイライラするのか」
「なぜ涙が止まらないのか」
「つらいのに誰にも分かってもらえない」
こうした感情を安心して言葉にできる場所は、自己理解と心の安定の第一歩になります。カウンセリングでは、判断せず、受け止める姿勢で話を聴き、心を支える土台を作ります。
3. 自分らしい生活のリズムを整えるサポート
気分や症状の波に振り回されないためには、日々の生活リズムを整えることが重要です。
しかし、エネルギーが高まりすぎたり、逆に落ち込みすぎたりすると、生活のバランスを保つのは難しくなります。
カウンセラーは、次のような支援を行います。
- 睡眠・食事・活動のリズムを一緒に振り返る
- 「無理をしすぎないペース」を探る
- 調子の良し悪しを記録し、自分の傾向を把握する
こうした支援は、病気とうまく付き合いながら自立した生活を送る力を高めることにつながります。
4. 周囲との関係性の調整を支援する
統合失調感情障害では、対人関係のトラブルや誤解が起こりやすくなります。
特に躁状態では言動が衝動的になり、うつ状態では人との関わりを避けがちになるため、人間関係に悩む方も少なくありません。
カウンセリングでは、
- 家族や職場への伝え方
- 他人との適度な距離感のとり方
- トラブル後のリカバリー方法
などを丁寧に話し合い、対人ストレスを軽減していきます。
5. 「自分を責める気持ち」に寄り添う
統合失調感情障害の方は、気分が安定してきたときに「なぜあんな行動をしてしまったのか」「人に迷惑をかけてしまった」と、過去を悔やんで自分を責めてしまうことがあります。
こうした思いに押しつぶされそうなとき、カウンセラーは「それでも大丈夫だよ」と伝える存在になります。
過去の行動や症状を丁寧にふり返り、「自分を罰するのではなく、自分を知ること」に意識を切り替えていく支援を行います。
ご家族への支援も大切に
ご本人を支える家族にとっても、スキゾアフェクティブ障害は不安や混乱の連続です。
- 状態が読めず接し方に悩む
- 回復が見えず不安になる
- 周囲の無理解に傷つく
- 自分が限界を感じる
こうした家族のつらさも、カウンセリングでしっかり受け止めます。NEEDROOMでは、ご家族向けのカウンセリングも行っており、病気への理解や関わり方について共に考える時間を提供しています。
NEEDROOMのカウンセリングが大切にしていること
NEEDROOMでは、統合失調感情障害の方のカウンセリングを以下のような視点で実施しています。
- ご本人の状態やペースに合わせた無理のない対話
- 薬物療法を補完する心理的支援
- 医療機関やご家族との連携による安心の環境づくり
- オンライン対応で全国どこからでも利用可能
- ご本人・ご家族ともに支援対象
一人ひとりの症状や背景に応じて、オーダーメイドのような柔軟な対応を行っております。
まとめ:こころの揺れを安心して話せる場所が、回復の第一歩
統合失調感情障害は、複雑で分かりにくい病気だからこそ、「安心して感情を話せる」「分かろうとしてくれる人がいる」という体験が、回復にとって何よりの支えとなります。
カウンセリングは、波のあるこころの動きを丁寧に見守り、「あなたらしさ」を一緒に取り戻していくプロセスです。
NEEDROOMでは、あなたのこころに寄り添いながら、ゆっくりと、確実に、一歩ずつ支援していきます。
「誰かに話したい」「気持ちを整理したい」「少しでも楽になりたい」——そんな思いを抱えたときは、どうか私たちにご相談ください。あなたの気持ちは、きっと届きます。
怒りやイライラを上手にコントロールする方法
カウンセリングで学ぶ、心の平穏を取り戻すスキル
「すぐに怒ってしまう」
「イライラが収まらなくて自己嫌悪になる」
「怒りの感情で人間関係がぎくしゃくする」
こんな悩みを抱えている方は意外と多いものです。怒りやイライラは自然な感情ですが、コントロールできないと日常生活や仕事、人間関係に大きなストレスを生み出します。
しかし、怒りは“消す”ものではなく、適切に理解しコントロールすることが可能です。
本記事では、怒りやイライラの原因を知り、効果的なコントロール方法を学べるカウンセリングの役割と具体的な実践方法を詳しくご紹介します。
怒りやイライラが生まれる理由とは?
怒りは、自己防衛や正義感の表れであり、決して悪いものではありません。ですが、強い怒りや頻繁なイライラは、ストレスや疲労、誤解やコミュニケーションのズレから生じることが多いです。
・期待が裏切られた
・自分の意見が通らない
・他人の言動に傷ついた
・過去のつらい経験が刺激された
こうした要因が複雑に絡み合い、感情がコントロールしにくくなることがあります。
怒りを感じる自分を責める必要はありません。まずは、怒りの背景にある本当の感情や状況に気づくことが大切です。
カウンセリングでできること①
怒りやイライラの原因を一緒に探る
怒りが突然爆発するように感じても、その裏には不安や悲しみ、孤独感など複数の感情が隠れていることがあります。
カウンセリングでは、あなたが抱える怒りやイライラの原因や背景を丁寧に探り、感情の構造を理解するサポートをします。
・どんな場面で怒りが強くなるか
・怒りの裏にある他の感情は何か
・過去の経験や思考のクセが影響していないか
こうした気づきが、怒りをコントロールする第一歩になります。
カウンセリングでできること②
怒りの感情と上手に向き合う技術を学ぶ
怒りを抑え込むのではなく、適切に表現しコントロールするための方法をカウンセリングで学べます。
代表的なテクニックとして、
1. 呼吸法やリラクゼーション法
深呼吸や腹式呼吸を使い、怒りが高まったときの身体の緊張を和らげます。
2. タイムアウト(クールダウン)
感情が爆発しそうなとき、一旦その場を離れて気持ちを落ち着ける時間を作る。
3. 怒り日記を書く
いつ、なぜ怒りを感じたかを書き出し、感情を客観的に見る訓練。
4. コミュニケーションスキルの向上
自分の感情を相手に伝える「アサーティブ・コミュニケーション」を練習し、誤解を減らす。
カウンセラーは、あなたの状況に合った方法を提案し、練習をサポートします。
カウンセリングでできること③
根本的な思考のクセを見直す
怒りやイライラの多くは、認知の歪みと呼ばれる思考パターンが影響しています。
・「○○すべき」という完璧主義的な考え
・「自分だけが損をしている」という被害者意識
・「相手は悪意がある」と決めつける思考
こうした思考を柔軟に見直し、ストレスを減らすための考え方を身につけることもカウンセリングで可能です。
日常でできる怒りコントロールのコツ
・怒りを感じたらまず深呼吸3回
・「今は怒っている」と自分で認める
・感情を吐き出す安全な方法(散歩や日記など)を持つ
・他人の立場や状況を想像してみる習慣をつける
・定期的な運動や趣味でストレスをためない
これらのコツは継続すると効果が現れやすくなります。
NEEDROOMのオンラインカウンセリングでサポート
NEEDROOMでは、怒りやイライラのコントロールに悩む方に向けてオンラインカウンセリングを行っています。
臨床心理士や公認心理師が、あなたの感情に寄り添い、無理なく感情を整理し、具体的なコントロール方法を身につけられるよう支援します。
初回無料相談もあり、気軽に始められます。
まとめ
怒りやイライラは誰にでもある自然な感情です。しかし、適切に扱わないと自分も周りも苦しくなってしまいます。
カウンセリングは、怒りの背景にある本当の感情に気づき、心を落ち着けるスキルや考え方を学べる安心の場です。
NEEDROOMは、あなたが怒りをうまくコントロールし、穏やかで豊かな毎日を送れるよう全力でサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。
適応障害とは?
カウンセリングができることとその重要性
適応障害は、仕事や学校、人間関係など生活上のストレスや環境変化に対して、心理的に適応できずに不安や抑うつ、行動の変化などの症状が現れる状態を指します。
ストレスが原因で心身に負担がかかり、日常生活に支障をきたすことがあります。
適応障害は一時的な反応であることが多いですが、放置すると重症化することもあるため、早期のカウンセリングが重要です。
この記事では、適応障害の特徴とカウンセリングがどのように支援できるかを詳しく解説します。
適応障害の特徴
適応障害の主な症状は以下の通りです。
- ストレスや環境変化に伴う強い不安感や落ち込み
- イライラや怒りの増加、焦燥感
- 集中力の低下や仕事・学業のパフォーマンス低下
- 対人関係のトラブルや社会的引きこもり
- 睡眠障害や食欲不振など身体症状の出現
- これらの症状が通常は6ヶ月以内に改善するが、長引くこともある
適応障害はストレスの原因を特定し対処することが治療のポイントです。
適応障害に対するカウンセリングの役割
カウンセリングは適応障害の症状緩和と再発予防に向けて、多角的に支援します。
1. ストレス要因の明確化と理解の促進
生活の中のストレスや環境変化の原因を整理し、本人が納得できる形で理解を深めます。
2. 感情の整理と自己理解の支援
不安や怒り、落ち込みなどの感情を安心して話せる場で整理し、自己理解を深める手助けをします。
3. ストレス対処法(コーピング)の習得
呼吸法やリラクゼーション法、問題解決技術など、ストレスを効果的に管理する方法を身につけます。
4. 認知行動療法(CBT)による思考パターンの改善
ネガティブな思考や行動パターンを見直し、現実的かつ前向きな考え方へと導きます。
5. 生活リズムの調整と健康管理のサポート
睡眠や食事、運動など生活習慣の改善を促し、心身の健康維持を支援します。
6. 家族や職場との連携支援
必要に応じて家族や職場と連携し、環境調整や理解促進を図ります。
カウンセリングが安心して話せる場であることの重要性
適応障害の方は、自分の感情や状況を理解してもらえない孤独感や不安を抱えやすいです。
カウンセリングは否定や批判なく共感的に話を聴き、安心して気持ちを表現できる安全な場を提供します。
これにより感情の整理や自己理解が進み、回復の支えとなります。
NEEDROOMの適応障害に対するカウンセリングの特徴
- 全国対応のオンラインカウンセリングで通いやすい
- 専門カウンセラーが個別に丁寧な対応を行う
- 認知行動療法(CBT)をはじめ科学的根拠に基づくアプローチ
- ストレス管理や生活習慣改善の具体的な指導
- 家族や職場との連携相談も可能
- 長期的なフォローアップ体制で安心
まとめ:適応障害の回復にカウンセリングは不可欠
適応障害はストレスや環境変化に対する心理的反応であり、本人の生活や健康に影響を及ぼします。
カウンセリングはストレス要因の理解、感情整理、コーピング技術の習得、認知行動療法による思考改善、生活習慣の調整、家族・職場連携を通じて、症状の緩和と再発予防に大きく貢献します。
適応障害でお悩みの方、ご家族の方はぜひNEEDROOMのカウンセリングをご検討ください。
専門カウンセラーがあなたのこころに寄り添い、安心して話せる場を提供します。
注意欠如・多動症(ADHD)とは?
カウンセリングができることとその重要性
注意欠如・多動症(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、発達障害の一種であり、「集中が続かない」「落ち着きがない」「衝動的に行動してしまう」といった特性が見られる状態です。
子どもの頃に診断されることが多いものの、大人になってから気づくケースも増えています。
日常生活や人間関係、仕事、学業にさまざまな困難が生じやすいため、カウンセリングによるサポートがとても重要です。
この記事では、ADHDの基本的な特徴とカウンセリングの役割について詳しく解説します。
ADHDの主な特徴
ADHDの症状は、大きく3つのタイプに分かれます。
1. 不注意優勢型
- 忘れ物やうっかりミスが多い
- 話を最後まで聞けない、集中が続かない
- 整理整頓が苦手
- 時間管理ができず遅刻や期限忘れが多い
2. 多動・衝動優勢型
- じっとしているのが苦手で、体がいつも動いてしまう
- 思いつきで行動してしまい、後先を考えないことがある
- 会話を遮る、順番を待てない
3. 混合型
不注意と多動・衝動の両方が見られるタイプです。
ADHDは「努力不足」ではなく、脳の働きの違いによるものです。適切な理解と支援があれば、その人らしい力を発揮することができます。
ADHDに対するカウンセリングの役割
カウンセリングでは、ADHDの特性による困りごとを一緒に整理し、日常生活をよりスムーズにするための具体的なサポートを提供します。
1. 自己理解を深める
自分の「苦手」と「得意」を知り、できないことを責めるのではなく、どう付き合っていくかを一緒に考えます。
2. 感情のコントロール支援
衝動的な言動で後悔したり、怒りが爆発してしまうことがある方には、感情のコントロール方法を学ぶサポートを行います。
3. 時間管理や優先順位の整理
「気づいたら時間が過ぎている」「何から手をつけていいかわからない」といった困りごとに対して、具体的な時間の使い方やスケジュールの工夫を提案します。
4. 対人関係の悩みへの支援
「空気が読めない」「失言してしまう」「友人や職場で誤解されやすい」などの対人ストレスに対して、コミュニケーションのトレーニングやフィードバックを行います。
5. 職場や学校との橋渡し
必要に応じて、職場や学校と連携し、配慮や環境調整の提案も可能です。
カウンセリングが安心して話せる場であることの重要性
ADHDの方は「もっと頑張ればできるはず」「わがままだ」と誤解されやすく、自信を失っていることも少なくありません。
カウンセリングは、否定されずに安心して話せる場所として、心の安全基地となります。
自分を理解してもらえる体験が、回復と前向きな行動の第一歩になります。
NEEDROOMのADHDに対するカウンセリングの特徴
- 全国対応のオンラインカウンセリングで気軽に利用可能
- ADHDに精通したカウンセラーが在籍
- 子どもから大人まで、年齢に応じた柔軟な支援が可能
- 本人だけでなく、親・パートナーへの対応や相談も対応
- 長期的に寄り添うフォローアップ体制を整備
まとめ:ADHDの特性を理解し、共に考えるカウンセリング
ADHDは単なる「落ち着きのなさ」や「だらしなさ」ではなく、脳の特性によるものであり、適切な対応と理解があれば、大きな力となる個性でもあります。
カウンセリングは自己理解、行動調整、感情の安定、対人スキルの向上など、多方面からADHDの方を支えます。
注意欠如・多動症(ADHD)に悩む方やご家族の方は、ぜひNEEDROOMのカウンセリングをご利用ください。
専門カウンセラーが、あなたの困りごとに寄り添い、安心して話せる場を提供します。
統合失調症の方へのカウンセリングにできること
薬だけでは補えない「心の居場所」と「回復の伴走者」
統合失調症は、決してまれな病気ではありません。100人に1人がかかるといわれ、誰にでも起こりうる精神疾患です。発症年齢は10代後半から30代前半が多く、学校や仕事、家庭など人生の重要なタイミングと重なるため、本人だけでなく家族にも大きな影響を及ぼします。
治療の中心は医療ですが、実はカウンセリング(心理療法)こそが、回復の鍵となる場面がたくさんあります。本記事では、「カウンセリングにできること」を軸に、統合失調症の方をどのように支えられるのか、専門的視点でわかりやすく解説します。
統合失調症の特徴とは?
統合失調症は、現実と内面の境界が不安定になり、「現実を正しく受け取る力(認知)」や「気持ちのバランス」「他人との関係性」が乱れやすくなる病気です。
主な症状は以下のように分類されます。
- 幻聴(聞こえないはずの声が聞こえる)
- 妄想(監視されている、狙われているなど)
- 思考のまとまりのなさ(会話がかみ合わない)
- 感情の平板化(喜怒哀楽が乏しい)
- 意欲の低下(何をするにも面倒になる)
- 集中力や記憶力の低下
症状には「陽性症状(幻覚や妄想など)」「陰性症状(感情や意欲の低下)」「認知機能の低下」の3つの側面があり、どれか一つだけでなく、複数が重なって現れることも珍しくありません。
これらの症状は波があり、よくなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、本人も「自分をうまくつかめない」苦しさを抱えていることがあります。
統合失調症におけるカウンセリングの役割
多くの人が「統合失調症には薬が必要」という認識を持っています。確かに、抗精神病薬は症状を安定させる上で非常に有効です。しかし、薬だけで生活が整うわけではありません。
症状の背後には不安や孤独、社会との関係のしんどさなど、「心の課題」が存在しており、そこを扱うのがカウンセリングの大切な役割です。
以下に、統合失調症の方に対するカウンセリングでできる具体的な支援を紹介します。
1. 幻聴や妄想との付き合い方を学ぶ
統合失調症の代表的な症状である幻聴や妄想は、薬によって弱まることもありますが、完全に消えないケースもあります。
カウンセリングでは、「幻聴が出たときどうするか」「妄想に囚われたときに不安を軽減する方法」などを一緒に整理していきます。
たとえば、
- 「声が聞こえたらまず深呼吸」
- 「現実と妄想を区別するチェックポイントを決める」
- 「一人で判断しない習慣をつける」
といった、日常生活で使える**具体的な対処法(コーピング)**を身につけることが可能です。
2. 自分の状態を客観的に理解できるようになる
統合失調症では、自分の状態を把握することが難しくなることがあります。特に、再発のサイン(疲れやすい、過敏になる、イライラが増えるなど)に気づけないまま無理をしてしまい、急に調子を崩すケースもあります。
カウンセリングでは、心の動きを定期的に振り返りながら、「自分は今どんな状態にあるのか」「どこまで頑張ってよいのか」を見極めていく練習をします。
これは「再発予防」に直結する重要な作業です。
3. 自己否定感を和らげ、自己理解を深める
統合失調症の方の中には、「自分は人より劣っている」「迷惑をかけている」「社会からはじかれた」と感じてしまう人が少なくありません。病気による誤解や偏見もあいまって、強い孤独感や自己否定感に苦しむことがあります。
カウンセリングでは、そうした感情を少しずつ言葉にし、受け止めてもらうことで、自己理解と自己肯定感を取り戻していきます。
「今のままの自分でも大丈夫」と思えるようになることは、回復にとって非常に大きな一歩です。
4. 人間関係や社会復帰に向けた不安の整理
症状が落ち着いてくると、次に出てくるのが「人とどう関わればいいか」「仕事に戻れるのか」といった社会生活に関する不安です。
カウンセリングでは、
- 対人関係で疲れすぎない距離感の取り方
- 働く・学ぶ・家族と暮らすことへの期待と現実のギャップ整理
- 「できること」と「できないこと」の線引き
などを一緒に考え、自分らしい生活のスタイルをつくるサポートを行います。
5. ご家族との関係調整を支援する
家族との関係に悩んでいる方も多くいます。「心配されすぎて息苦しい」「うまく話せない」「病気のことを伝えるのが怖い」など、家庭内のストレスは症状悪化にもつながりやすい要因です。
カウンセリングでは、ご家族との付き合い方や伝え方についても丁寧にサポートし、必要に応じてご家族向けの面談も行うことで、安心できる関係性を築いていきます。
カウンセリングは「伴走者」である
統合失調症は長期的に付き合う病気であり、「すぐに治る」「一度の支援で完了する」というものではありません。だからこそ、カウンセリングは寄り添いながら伴走する存在として機能します。
- 再発しないように体調を見守る
- 落ち込んだ時に支えてくれる
- 成長のペースを一緒に探ってくれる
- 自分らしく生きる道を一緒に見つけてくれる
そうした「継続的な支援」が、薬だけでは得られない安心を生みます。
NEEDROOMのカウンセリングが選ばれる理由
NEEDROOMでは、統合失調症を含む精神疾患のある方に対して、以下のような安心の体制でカウンセリングを提供しています。
- 全国対応のオンラインカウンセリング(移動が困難でもOK)
- 継続的に同じカウンセラーが担当
- ご家族への対応も可能(家族カウンセリングあり)
- 医療機関との連携もご相談に応じます(主治医の同意のもと)
- 就労支援・社会復帰に向けた伴走支援も実施中
「病気を理解してくれる人に話を聴いてほしい」
「家族以外の安心できる居場所がほしい」
「何ができるか、何から始めればいいか分からない」
そんな方に、専門的かつ丁寧な支援を提供しています。
まとめ:統合失調症の回復は「人とのつながり」から始まる
統合失調症の回復には、「正しい知識」「薬による安定」「社会との関わり」、そして何より**「安心して話せる関係」が欠かせません。**
カウンセリングは、薬では届かない心の奥深くにアプローチし、本人の持つ回復力や人間らしさを取り戻す大きな力になります。
NEEDROOMでは、統合失調症のある方が自分らしく生きていくために、寄り添いながら丁寧に支援しています。
「話してみようかな」と思えたときが、回復の第一歩です。あなたの気持ちを、私たちは丁寧に受け止めます。
必要なときに、必要な分だけ、あなたの心に寄り添える場所であり続けます。
どうぞお気軽にご相談ください。