ブログ

2025-08-04 12:20:00

統合失調症の方へのカウンセリングにできること

薬だけでは補えない「心の居場所」と「回復の伴走者」

統合失調症は、決してまれな病気ではありません。100人に1人がかかるといわれ、誰にでも起こりうる精神疾患です。発症年齢は10代後半から30代前半が多く、学校や仕事、家庭など人生の重要なタイミングと重なるため、本人だけでなく家族にも大きな影響を及ぼします。

治療の中心は医療ですが、実はカウンセリング(心理療法)こそが、回復の鍵となる場面がたくさんあります。本記事では、「カウンセリングにできること」を軸に、統合失調症の方をどのように支えられるのか、専門的視点でわかりやすく解説します。

統合失調症の特徴とは?

統合失調症は、現実と内面の境界が不安定になり、「現実を正しく受け取る力(認知)」や「気持ちのバランス」「他人との関係性」が乱れやすくなる病気です。

主な症状は以下のように分類されます。

  • 幻聴(聞こえないはずの声が聞こえる)
  • 妄想(監視されている、狙われているなど)
  • 思考のまとまりのなさ(会話がかみ合わない)
  • 感情の平板化(喜怒哀楽が乏しい)
  • 意欲の低下(何をするにも面倒になる)
  • 集中力や記憶力の低下

症状には「陽性症状(幻覚や妄想など)」「陰性症状(感情や意欲の低下)」「認知機能の低下」の3つの側面があり、どれか一つだけでなく、複数が重なって現れることも珍しくありません。

これらの症状は波があり、よくなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、本人も「自分をうまくつかめない」苦しさを抱えていることがあります。

統合失調症におけるカウンセリングの役割

多くの人が「統合失調症には薬が必要」という認識を持っています。確かに、抗精神病薬は症状を安定させる上で非常に有効です。しかし、薬だけで生活が整うわけではありません。

症状の背後には不安や孤独、社会との関係のしんどさなど、「心の課題」が存在しており、そこを扱うのがカウンセリングの大切な役割です。

以下に、統合失調症の方に対するカウンセリングでできる具体的な支援を紹介します。

1. 幻聴や妄想との付き合い方を学ぶ

統合失調症の代表的な症状である幻聴や妄想は、薬によって弱まることもありますが、完全に消えないケースもあります。

カウンセリングでは、「幻聴が出たときどうするか」「妄想に囚われたときに不安を軽減する方法」などを一緒に整理していきます。

たとえば、

  • 「声が聞こえたらまず深呼吸」
  • 「現実と妄想を区別するチェックポイントを決める」
  • 「一人で判断しない習慣をつける」

といった、日常生活で使える**具体的な対処法(コーピング)**を身につけることが可能です。

2. 自分の状態を客観的に理解できるようになる

統合失調症では、自分の状態を把握することが難しくなることがあります。特に、再発のサイン(疲れやすい、過敏になる、イライラが増えるなど)に気づけないまま無理をしてしまい、急に調子を崩すケースもあります。

カウンセリングでは、心の動きを定期的に振り返りながら、「自分は今どんな状態にあるのか」「どこまで頑張ってよいのか」を見極めていく練習をします。

これは「再発予防」に直結する重要な作業です。

3. 自己否定感を和らげ、自己理解を深める

統合失調症の方の中には、「自分は人より劣っている」「迷惑をかけている」「社会からはじかれた」と感じてしまう人が少なくありません。病気による誤解や偏見もあいまって、強い孤独感や自己否定感に苦しむことがあります。

カウンセリングでは、そうした感情を少しずつ言葉にし、受け止めてもらうことで、自己理解と自己肯定感を取り戻していきます。

「今のままの自分でも大丈夫」と思えるようになることは、回復にとって非常に大きな一歩です。

4. 人間関係や社会復帰に向けた不安の整理

症状が落ち着いてくると、次に出てくるのが「人とどう関わればいいか」「仕事に戻れるのか」といった社会生活に関する不安です。

カウンセリングでは、

  • 対人関係で疲れすぎない距離感の取り方
  • 働く・学ぶ・家族と暮らすことへの期待と現実のギャップ整理
  • 「できること」と「できないこと」の線引き

などを一緒に考え、自分らしい生活のスタイルをつくるサポートを行います。

5. ご家族との関係調整を支援する

家族との関係に悩んでいる方も多くいます。「心配されすぎて息苦しい」「うまく話せない」「病気のことを伝えるのが怖い」など、家庭内のストレスは症状悪化にもつながりやすい要因です。

カウンセリングでは、ご家族との付き合い方や伝え方についても丁寧にサポートし、必要に応じてご家族向けの面談も行うことで、安心できる関係性を築いていきます。

カウンセリングは「伴走者」である

統合失調症は長期的に付き合う病気であり、「すぐに治る」「一度の支援で完了する」というものではありません。だからこそ、カウンセリングは寄り添いながら伴走する存在として機能します。

  • 再発しないように体調を見守る
  • 落ち込んだ時に支えてくれる
  • 成長のペースを一緒に探ってくれる
  • 自分らしく生きる道を一緒に見つけてくれる

そうした「継続的な支援」が、薬だけでは得られない安心を生みます。

NEEDROOMのカウンセリングが選ばれる理由

NEEDROOMでは、統合失調症を含む精神疾患のある方に対して、以下のような安心の体制でカウンセリングを提供しています。

  • 全国対応のオンラインカウンセリング(移動が困難でもOK
  • 継続的に同じカウンセラーが担当
  • ご家族への対応も可能(家族カウンセリングあり)
  • 医療機関との連携もご相談に応じます(主治医の同意のもと)
  • 就労支援・社会復帰に向けた伴走支援も実施中

「病気を理解してくれる人に話を聴いてほしい」
「家族以外の安心できる居場所がほしい」
「何ができるか、何から始めればいいか分からない」

そんな方に、専門的かつ丁寧な支援を提供しています。

まとめ:統合失調症の回復は「人とのつながり」から始まる

統合失調症の回復には、「正しい知識」「薬による安定」「社会との関わり」、そして何より**「安心して話せる関係」が欠かせません。**

カウンセリングは、薬では届かない心の奥深くにアプローチし、本人の持つ回復力や人間らしさを取り戻す大きな力になります。

NEEDROOMでは、統合失調症のある方が自分らしく生きていくために、寄り添いながら丁寧に支援しています。

「話してみようかな」と思えたときが、回復の第一歩です。あなたの気持ちを、私たちは丁寧に受け止めます。

必要なときに、必要な分だけ、あなたの心に寄り添える場所であり続けます。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

Today's Schedule