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2025-08-04 12:30:00

統合失調感情障害(スキゾアフェクティブ障害)の方へ

「こころの揺れ」に丁寧に寄り添うカウンセリングの力

統合失調感情障害(スキゾアフェクティブ障害)は、統合失調症と気分障害の両方の特徴をあわせ持つ複雑な精神疾患です。

幻覚や妄想といった統合失調症の症状と、うつや躁のような感情の波が交互または同時に現れることが多く、「自分でも自分をつかみにくい」状態が続きやすいという特徴があります。

症状が多面的であるため、本人も周囲も混乱しやすく、治療や支援が難しく感じられることも少なくありません。

そこで重要になるのが、「心の状態を丁寧に見つめる」カウンセリングの存在です。この記事では、スキゾアフェクティブ障害に対するカウンセリングの可能性と、その役割について詳しく解説していきます。

統合失調感情障害とはどんな病気?

統合失調感情障害は、統合失調症と双極性障害(躁うつ病)またはうつ病の両方の症状をあわせ持つ疾患です。

以下のような症状が一定期間、同時または連続して現れるのが特徴です。

統合失調症の症状(陽性症状)

  • 幻聴(実際には存在しない声が聞こえる)
  • 妄想(誰かに監視されている、狙われていると強く思い込む)
  • 思考のまとまりがなくなる(話が飛び飛びになる)

気分障害の症状

  • うつ状態(意欲低下、自己否定、不眠、食欲不振など)
  • 躁状態(気分が高揚し、活動的になりすぎる、衝動的な行動)

どちらか一方だけではなく、両方の症状が組み合わさることで、本人の苦しみはさらに複雑になります。

「妄想があるのに落ち込みが強い」
「気分は高揚しているけど、幻聴が止まらない」
「症状が日によってまるで別人のようになる」

こうした状態に、本人も家族も翻弄されてしまうことがあるのです。

治療の基本は薬物療法+心理的サポート

統合失調感情障害の治療は、抗精神病薬と気分安定薬(または抗うつ薬)などを組み合わせた薬物療法が中心となります。

しかし、症状が不安定になりやすい病気だからこそ、「心の揺れを見つめ、安心して話せる場所」=カウンセリングの存在が非常に大きな意味を持ちます。

薬では届かない感情や思考の部分にアプローチし、回復のプロセスを支えるのが心理的支援の役割です。

カウンセリングにできること

統合失調感情障害の方に対して、カウンセリングが果たす具体的な役割を以下にまとめます。

1. 複雑な症状を一緒に整理する

スキゾアフェクティブ障害の症状は多様で、日によって変化するため、「自分がどうなっているのか分からない」という不安を感じる方も多いです。

カウンセラーと一緒に症状や気分の変化を見つめながら、

  • 「幻聴や妄想が出やすい時期」
  • 「気分が落ち込みやすい環境」
  • 「エネルギーが高まりすぎる兆し」

など、自分自身のパターンをつかんでいくことができます。これは再発予防や日常生活の安定にもつながる重要な作業です。

2. 感情を受け止める「安心の場」になる

躁状態やうつ状態のときは、気持ちが大きく揺れ動き、本人もその理由が分からず苦しむことがあります。

「どうしてこんなにイライラするのか」
「なぜ涙が止まらないのか」
「つらいのに誰にも分かってもらえない」

こうした感情を安心して言葉にできる場所は、自己理解と心の安定の第一歩になります。カウンセリングでは、判断せず、受け止める姿勢で話を聴き、心を支える土台を作ります。

3. 自分らしい生活のリズムを整えるサポート

気分や症状の波に振り回されないためには、日々の生活リズムを整えることが重要です。

しかし、エネルギーが高まりすぎたり、逆に落ち込みすぎたりすると、生活のバランスを保つのは難しくなります。

カウンセラーは、次のような支援を行います。

  • 睡眠・食事・活動のリズムを一緒に振り返る
  • 「無理をしすぎないペース」を探る
  • 調子の良し悪しを記録し、自分の傾向を把握する

こうした支援は、病気とうまく付き合いながら自立した生活を送る力を高めることにつながります。

4. 周囲との関係性の調整を支援する

統合失調感情障害では、対人関係のトラブルや誤解が起こりやすくなります。

特に躁状態では言動が衝動的になり、うつ状態では人との関わりを避けがちになるため、人間関係に悩む方も少なくありません。

カウンセリングでは、

  • 家族や職場への伝え方
  • 他人との適度な距離感のとり方
  • トラブル後のリカバリー方法

などを丁寧に話し合い、対人ストレスを軽減していきます。

5. 「自分を責める気持ち」に寄り添う

統合失調感情障害の方は、気分が安定してきたときに「なぜあんな行動をしてしまったのか」「人に迷惑をかけてしまった」と、過去を悔やんで自分を責めてしまうことがあります。

こうした思いに押しつぶされそうなとき、カウンセラーは「それでも大丈夫だよ」と伝える存在になります。

過去の行動や症状を丁寧にふり返り、「自分を罰するのではなく、自分を知ること」に意識を切り替えていく支援を行います。

ご家族への支援も大切に

ご本人を支える家族にとっても、スキゾアフェクティブ障害は不安や混乱の連続です。

  • 状態が読めず接し方に悩む
  • 回復が見えず不安になる
  • 周囲の無理解に傷つく
  • 自分が限界を感じる

こうした家族のつらさも、カウンセリングでしっかり受け止めます。NEEDROOMでは、ご家族向けのカウンセリングも行っており、病気への理解や関わり方について共に考える時間を提供しています。

NEEDROOMのカウンセリングが大切にしていること

NEEDROOMでは、統合失調感情障害の方のカウンセリングを以下のような視点で実施しています。

  • ご本人の状態やペースに合わせた無理のない対話
  • 薬物療法を補完する心理的支援
  • 医療機関やご家族との連携による安心の環境づくり
  • オンライン対応で全国どこからでも利用可能
  • ご本人・ご家族ともに支援対象

一人ひとりの症状や背景に応じて、オーダーメイドのような柔軟な対応を行っております。

まとめ:こころの揺れを安心して話せる場所が、回復の第一歩

統合失調感情障害は、複雑で分かりにくい病気だからこそ、「安心して感情を話せる」「分かろうとしてくれる人がいる」という体験が、回復にとって何よりの支えとなります。

カウンセリングは、波のあるこころの動きを丁寧に見守り、「あなたらしさ」を一緒に取り戻していくプロセスです。

NEEDROOMでは、あなたのこころに寄り添いながら、ゆっくりと、確実に、一歩ずつ支援していきます。

「誰かに話したい」「気持ちを整理したい」「少しでも楽になりたい」——そんな思いを抱えたときは、どうか私たちにご相談ください。あなたの気持ちは、きっと届きます。

 

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