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PTSD(心的外傷後ストレス障害)の主な症状:群馬のカウンセリングルームが解説
今回は、生命を脅かすような出来事が原因で発症するPTSD(心的外傷後ストレス障害)について、群馬のカウンセリングルームで活動する専門家の視点から解説します。
PTSDは、自然災害、事故、暴力、犯罪被害など、強い精神的ストレスを伴う出来事を経験した後に現れる心の不調です。つらい記憶が何度もよみがえり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。ご自身や大切な方の心の変化に気づくためにも、ぜひ最後までお読みください。
1.再体験症状:つらい記憶がフラッシュバックする
PTSDの最も特徴的な症状は、つらい出来事を何度も繰り返し思い出すことです。
- フラッシュバック:突然、まるでその出来事が今まさに起こっているかのように感じ、強い恐怖や不安に襲われます。
- 悪夢:つらい出来事に関連する夢を繰り返し見て、睡眠を妨げられます。
- 侵入思考:意識とは関係なく、不快な記憶やイメージが頭に浮かび、それを止められません。
- 身体的な反応:出来事を連想させる場所や音、匂いに触れると、動悸や発汗といった身体的な反応が起こります。
2.回避症状:つらい記憶から逃れようとする
つらい記憶を避けるために、無意識に行動を変えてしまうことがあります。
- 回避行動:出来事に関連する場所、人、会話、活動を避けるようになります。たとえば、事故現場の近くを通らない、ニュースを見ない、といった行動が見られます。
- 感情の麻痺:感情が鈍くなり、好きなことや楽しいことに対しても喜びや興味を感じなくなります。
- 記憶の欠落:つらい出来事の一部分を思い出せない、といった記憶の障害が起こることがあります。
3.否定的認知と気分の変化:世界が色あせて見える
PTSDを患うと、物事の捉え方や気分に大きな変化が現れます。
- 自己否定:「自分が悪かった」「自分のせいだ」と、出来事を自分の責任だと感じて自分を責めてしまいます。
- 他者への不信感:周りの人を信じられなくなり、人間関係を築くのが難しくなります。
- 未来への絶望感:将来に希望を持てなくなり、「自分はもう幸せになれない」と思い込むことがあります。
- 不眠、集中力の低下:警戒心が強くなり、常に張り詰めた状態が続くため、眠れなくなったり、集中力が続かなくなったりします。
4.過覚醒症状:常に緊張状態が続く
危険が去った後も、脳が「危険な状態が続いている」と判断し、常に緊張状態が続きます。
- 過剰な警戒心:常に周囲に気を配り、少しの物音にも過剰に反応してしまいます。
- 驚きやすさ:些細なことでひどく驚いてしまうことが増えます。
- イライラ、怒りっぽさ:ささいなことでイライラしたり、感情のコントロールが難しくなったりします。
ひとりで苦しまないで
今回ご紹介した症状は、誰にでも起こりうる反応とは一線を画します。PTSDは、適切な治療と心のケアによって、症状を和らげ、再び穏やかな日常を送ることが可能です。
もし、つらい出来事の記憶に苦しみ、一人で抱え込んでいる方がいらっしゃいましたら、群馬県内にもあなたの力になれるカウンセリングルームが多数あります。まずは、お気軽にご相談ください。
摂食障害の主な症状:群馬のカウンセリングルームが解説
今回は、食行動の異常を特徴とする摂食障害について、群馬のカウンセリングルームで活動する専門家の視点から解説します。
摂食障害は、「食べられない」「食べすぎてしまう」「食べたことを後悔する」など、食行動にまつわる問題が中心となり、心身に深刻な影響を及ぼす心の不調です。主なタイプとして、神経性やせ症(拒食症)と神経性過食症があります。ご自身や大切な方の心の変化に気づくためにも、ぜひ最後までお読みください。
1.神経性やせ症(拒食症)の主な症状:痩せることへの強いこだわり
神経性やせ症は、体重が増えることへの強い恐怖から、食事を極端に制限する状態です。
- 極端な食事制限:食事の量を極端に減らしたり、特定の食品(炭水化物、脂質など)を避けるようになります。
- 低体重:標準体重を大幅に下回る低体重にもかかわらず、自分は太っていると思い込み、体重を増やすことを拒否します。
- ボディイメージの歪み:客観的に見て痩せているにもかかわらず、鏡に映る自分は太っていると感じます。
- 過度な運動:食べた分を消費しようと、過度な運動や活動を繰り返すことがあります。
2.神経性過食症の主な症状:やめられない過食と代償行為
神経性過食症は、短時間に大量に食べてしまう「過食」と、その後に体重増加を防ぐための「代償行為」を繰り返す状態です。
- 過食:自分の意志ではコントロールできないほど大量の食べ物を、短時間で食べ尽くしてしまいます。この間、食べることをやめられず、自分をコントロールできない感覚に陥ります。
- 代償行為:過食後に罪悪感を抱き、体重が増えることを恐れて、自己誘発性の嘔吐、下剤や利尿剤の乱用、絶食、過度な運動といった行為を行います。
- 体重への強いこだわり:自分の体型や体重に対する評価が、自己肯定感のほとんどを占めるようになります。体重が標準範囲内にあることが多いです。
3.摂食障害に共通する心理的な特徴
摂食障害は、食行動の異常だけでなく、心の問題が深く関わっています。
- 完璧主義:何事も完璧にこなさなければならない、という強いこだわりを持つ傾向があります。
- 自己肯定感の低さ:自分に自信が持てず、体型や体重をコントロールすることで、自分を保とうとします。
- 対人関係の難しさ:他者との関係をうまく築けず、孤独感を抱えていることがあります。
- 抑うつ、不安:抑うつ状態や強い不安を合併することが少なくありません。
専門家のサポートが回復への第一歩
今回ご紹介した症状は、単なるダイエットとは異なり、心身に深刻な影響を及ぼします。摂食障害は、周囲に気づかれにくいことも多く、一人で苦しんでいる方が少なくありません。
しかし、摂食障害は専門家のサポートによって、回復が十分に可能な病気です。食行動の問題だけでなく、背景にある心の悩みに向き合うことが大切です。
もし、ご自身や大切な方が摂食障害に苦しんでいる場合は、一人で抱え込まずに専門家にご相談ください。群馬県内にもあなたの力になれるカウンセリングルームが多数あります。
ADHD(注意欠如・多動症)の主な特徴:群馬のカウンセリングルームが解説
今回は、発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)について、その主な特徴を群馬のカウンセリングルームで活動する専門家の視点から解説します。
ADHDは、「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの主要な特徴を持つ心の不調です。これらの特徴は、生まれつきのものであり、本人の努力不足や怠慢ではありません。日常生活や社会生活に困難を抱えることがあります。ご自身や大切な方の心の変化に気づくためにも、ぜひ最後までお読みください。
1.不注意の特徴:うっかりミスが多く、集中力が続かない
不注意は、特に仕事や学業で困難を引き起こしやすい特徴です。
- 忘れ物やなくし物が多い:約束ややるべきことを忘れたり、鍵や財布をなくしたりすることが頻繁にあります。
- 集中力が続かない:気が散りやすく、一つの作業に長く集中することが苦手です。
- 計画を立てるのが苦手:物事を順序立てて考えたり、計画的に進めたりすることが難しく、期限を守るのが苦手です。
- 細部に注意が向かない:うっかりミスやケアレスミスが多く、指示を最後まで聞ききれないことがあります。
2.多動性の特徴:じっとしているのが苦手
多動性は、特に子どもの頃に顕著に現れることが多い特徴です。
- 落ち着きがない:授業中や会議中など、じっとしているべき場面で体を動かしたり、そわそわしたりします。
- 過剰にしゃべる:一方的にしゃべり続けたり、相手の話を遮ってしゃべり出したりすることがあります。
- 座っていられない:席を離れて歩き回ったり、立ったりすることが多く見られます。
3.衝動性の特徴:考える前に行動してしまう
衝動性は、対人関係や社会生活で問題を引き起こしやすい特徴です。
- 感情をコントロールできない:カッとなりやすく、すぐに怒ったり、泣いたりすることがあります。
- 順番を待てない:列に並ぶことや、自分の順番を待つことが苦手です。
- 思いつくとすぐに行動する:深く考えずに発言したり、行動したりして、後で後悔することがあります。
大切なのは、特性を理解し、工夫すること
今回ご紹介した特徴は、誰にでも多少心当たりのあるものかもしれません。しかし、これらの特徴が日常生活や社会生活に大きな困難をもたらしている場合は、ADHDの可能性が考えられます。
ADHDは「病気」ではなく、生まれつきの「特性」であり、本人の努力不足ではありません。特性を理解し、環境を整えたり、適切な対処法を身につけたりすることで、生活上の困難を軽減させることができます。
もし、ご自身やご家族がこのような特徴で悩んでいる場合は、一人で抱え込まずに専門家にご相談ください。群馬県内にもあなたの力になれるカウンセリングルームが多数あります。
ASD(自閉スペクトラム症)の主な特徴:群馬のカウンセリングルームが解説
今回は、発達障害の一つであるASD(自閉スペクトラム症)について、その主な特徴を群馬のカウンセリングルームで活動する専門家の視点から解説します。
ASDは、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などが含まれる概念で、「自閉スペクトラム」という名の通り、その特徴の現れ方には個人差が非常に大きいのが特徴です。ご自身や大切な方の心の変化に気づくためにも、ぜひ最後までお読みください。
1.対人関係・社会性の特徴:空気を読むのが苦手
ASDの人は、暗黙のルールや他者の感情を読み取ることが苦手な場合があります。
- 共感しにくい:相手の気持ちを察することが難しく、場の雰囲気に合わせた行動が苦手です。
- 言葉を文字通りに受け取る:「冗談」や「比喩」を理解するのが苦手で、言葉をそのままの意味で捉えてしまいます。
- 一方的な会話:自分の好きな話題について、相手の反応を気にせず一方的に話し続けてしまうことがあります。
- 目線が合わない:相手の目を見て話すことが苦手だったり、逆にじっと見つめすぎたりすることがあります。
2.こだわりの強さ・反復行動:決まったパターンを好む
ASDの人は、特定の物事や行動パターンに強くこだわる傾向があります。
- 特定の物事への強いこだわり:特定の趣味や興味に深く没頭し、その知識が非常に豊富になることがあります。
- 感覚過敏・鈍麻:大きな音が苦手、特定の肌触りを嫌う、特定の匂いに敏感、といった感覚的な過敏さや、逆に痛みや寒さに気づきにくいといった鈍麻さを持つことがあります。
- 変化を嫌う:日課や習慣、環境の変化を極端に嫌い、予定が変わると強い不安を感じたり、混乱したりすることがあります。
- 反復行動:体を揺らす、手をひらひらさせる、といった特定の反復行動が見られることがあります。
3.コミュニケーションの特徴:言葉や非言語の表現
言葉によるコミュニケーションにおいても、特徴的な様子が見られます。
- 言葉の発達がゆっくり:幼少期に言葉の発達がゆっくりであることが多いです。
- 独特な言葉の使い方:オウム返しをしたり、独特な言い回しをすることがあります。
- 表情や身振り手振りが乏しい:自分の感情を表情やジェスチャーで表現することが苦手な場合があります。
専門家への相談という選択肢
今回ご紹介した特徴は、誰にでも多少心当たりのあるものかもしれません。しかし、これらの特徴が日常生活や社会生活に大きな困難をもたらしている場合は、ASDの可能性が考えられます。
ASDは「病気」ではなく、生まれつきの「特性」であり、本人の努力不足ではありません。特性を理解し、適切な対処法を身につけることで、生活上の困難を軽減させることができます。
もし、ご自身やご家族がこのような特徴で悩んでいる場合は、一人で抱え込まずに専門家にご相談ください。群馬県内にもあなたの力になれるカウンセリングルームが多数あります。
統合失調症スペクトラム障害:専門家と歩む回復への道
もしも、大切なご家族が統合失調症スペクトラム障害と診断されたら、不安や戸惑いを感じるのは当然のことです。
「これからどうなるんだろう?」
「どう接すればいいんだろう?」
この病気は、適切な治療とサポートによって、症状をコントロールし、安定した日常生活を取り戻すことが十分に可能です。ここでは、そのための具体的な治療法について、分かりやすく解説します。
治療の3つの柱:薬物療法、精神療法、そしてリハビリテーション
統合失調症スペクトラム障害の治療は、主に薬物療法、精神療法、そして心理社会的リハビリテーションの3つを組み合わせて進められます。
1. 薬物療法:脳の働きを整える大切なステップ
薬物療法は、統合失調症スペクトラム障害の治療の中心となります。幻覚や妄想、考えがまとまらないといったつらい症状は、脳の神経伝達物質のバランスの乱れが原因で起こることが多いため、薬でそのバランスを整えます。
- 抗精神病薬: ドーパミンという神経伝達物質の働きを調整し、幻覚や妄想を軽減します。また、意欲の低下や感情の鈍化といった症状にも効果を発揮する薬もあります。
薬には、眠気や体重増加などの副作用が出ることがあります。自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談し、薬の種類や量を調整してもらうことが重要です。症状が落ち着いた後も、再発を防ぐために継続して服用することが大切です。
2. 精神療法:病気への理解を深める
薬物療法と並行して、精神療法も行われます。心理教育やカウンセリングを通じて、病気との向き合い方を学び、自分らしい生活を取り戻すための力をつけていきます。
- 心理教育: 病気について正しく理解することが、治療の第一歩です。幻覚や妄想がなぜ起こるのか、薬の役割、再発の兆候などを学びます。家族も一緒に学ぶことで、お互いの理解が深まります。
- 認知行動療法(CBT): 幻覚や妄想の症状に対して、その内容にとらわれず、適切に対処するスキルを身につけます。たとえば、「幻聴が聞こえても、それは病気の症状だと認識し、気にしないようにする」といった対応を練習します。
3. 心理社会的リハビリテーション:社会とのつながりを再構築する
症状が落ち着いてきたら、社会生活を送るためのスキルを身につけるリハビリテーションを開始します。社会復帰を目指す上で、非常に重要なステップです。
- SST(社会生活技能訓練): 他の人と円滑にコミュニケーションをとる方法や、日常生活での困りごと(例:電話のかけ方、買い物)に対処するスキルを、ロールプレイなどを通して実践的に学びます。
- 作業療法: 軽作業や創作活動などを通して、集中力や持続力を高め、生活のリズムを整えることを目指します。
- 就労支援: 病気を抱えながらでも働けるよう、職業訓練や職場への定着支援などを行います。
統合失調症スペクトラム障害は、治りにくい病気というイメージがあるかもしれませんが、今は様々な治療法が確立されています。一人で悩まず、焦らず、専門家の力を借りて、一歩ずつ回復への道を歩んでいきましょう。