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2025-08-20 13:07:00

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とカウンセリング

**PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)**は、強いトラウマ体験(事故、災害、犯罪被害、虐待など)によって発症する精神障害です。心的外傷後に繰り返されるフラッシュバック、悪夢、過剰な警戒心などが特徴で、日常生活や社会活動に深刻な影響を与えます。カウンセリングによる心理的支援は、症状の軽減と生活の質向上に大きく寄与します。

1. PTSDとは

PTSDは、トラウマ体験後に心と身体に生じるストレス反応が長期化した状態です。発症は数日から数週間後に現れることもありますが、数ヶ月〜数年後に発症する場合もあります。症状は、再体験、回避、覚醒過敏、否定的認知・気分変化の4つのカテゴリーに分けられます。

主な症状

再体験症状

  • トラウマの記憶や場面を繰り返し思い出す

  • フラッシュバック(体験をまるで再体験している感覚)

  • 悪夢や睡眠障害

回避症状

  • トラウマを思い出させる状況や場所、人を避ける

  • 感情や記憶を抑え込む

  • 社会活動や日常生活の制限

覚醒過敏症状

  • 過剰警戒、驚きやすさ

  • 集中力低下

  • 怒りやすさ、緊張感の持続

否定的認知・気分の変化

  • 自己や他者への否定的評価

  • 感情の麻痺、孤立感

  • 希望喪失、罪悪感、無力感

PTSDは心理的負担が大きく、専門的なカウンセリングが症状改善の鍵となります。

2. カウンセリングがPTSDに有効な理由

PTSDでは、トラウマ体験の記憶や感情が過剰に反応することで、日常生活や社会活動に支障をきたします。カウンセリングは、トラウマへの対処法を学び、安全な環境で感情や記憶を整理することで、症状の軽減と心理的安定を促します。

2-1. トラウマの理解と安全感の確保

カウンセリングでは、トラウマ体験がもたらす心理反応を理解し、本人が安全に話せる環境を作ります。安心感を得ることで、症状への過敏さが軽減されます。

2-2. 認知行動療法(CBT)による思考修正

CBTを用いて、トラウマ体験に関連する否定的な思考や信念を整理し、過剰な不安や自己否定を軽減します。症状に対する認知的理解が、心理的安定に直結します。

2-3. 曝露療法(Trauma-Focused Exposure)

安全な環境下でトラウマ記憶に段階的に向き合い、過剰な反応を軽減します。フラッシュバックや回避行動の改善に効果的です。

2-4. EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)

EMDRは、トラウマ記憶を安全に再処理し、感情や身体反応を緩和する専門的な治療法です。カウンセリングに組み合わせることで症状改善が期待できます。

2-5. リラクゼーションとストレスマネジメント

呼吸法、筋弛緩法、マインドフルネスなどを通じて、過剰な警戒心や緊張を緩和します。心理的安定を維持することで、日常生活の回復を支援します。

3. カウンセリングの種類と特徴

PTSDに対応するカウンセリングには以下の方法があります。

3-1. 認知行動療法(CBT)

トラウマ関連の否定的思考を修正し、過剰な不安や回避行動を減らす訓練を行います。

3-2. 曝露療法(Trauma-Focused Exposure)

安全な環境でトラウマ体験に段階的に向き合い、過剰な反応を軽減します。

3-3. EMDR

眼球運動を用いてトラウマ記憶の感情的反応を軽減し、心理的安定を促します。

3-4. 心理教育型カウンセリング

本人や家族がPTSDの理解を深め、症状に適切に対処する方法を学びます。

3-5. オンラインカウンセリング

自宅から安全に専門家の支援を受けつつ、CBT、曝露療法、EMDR、心理教育、リラクゼーション法を継続できます。外出によるストレスや不安を軽減しながら心理支援が可能です。

4. カウンセリングの進め方

初回セッションでは、トラウマ体験の内容、症状の強さ、日常生活への影響を整理します。その後、CBT、曝露療法、EMDR、心理教育、リラクゼーション法を組み合わせ、段階的に心理的安定、フラッシュバックや回避行動の改善、生活の質向上を目指します。週1回以上の継続セッションが推奨されます。

5. 薬物療法との併用

PTSDには、抗うつ薬(SSRI、SNRI)や抗不安薬が用いられることがあります。カウンセリングと併用することで、症状の軽減や心理的安定の効果が高まります。

6. カウンセリングのメリットまとめ

  • トラウマ体験と症状の心理的メカニズムを理解できる

  • CBTや曝露療法で過剰な不安や回避行動を軽減できる

  • EMDRでトラウマ記憶の心理的負担を緩和できる

  • リラクゼーションで過剰な警戒心や緊張を和らげられる

  • 心理教育で本人や家族の理解と安心感を深められる

  • オンライン対応で安全に継続的な支援を受けやすい

PTSDは、トラウマ体験に伴う心理的負担や回避行動が生活や社会参加に支障を与えることがあります。カウンセリングを通じて、心理的安定、フラッシュバックや回避行動の改善、生活の質向上を図ることで、日常生活や社会参加の回復が可能です。

7. まとめ

PTSDは、強いトラウマ体験により心と身体に長期的なストレス反応が生じる精神障害です。カウンセリングでは、CBT、曝露療法、EMDR、心理教育、リラクゼーション法を組み合わせ、心理的安定、症状改善、生活の質向上を支援します。オンラインカウンセリングを活用すれば、自宅から安全に専門家の支援を受け、トラウマによる不安や過敏反応を軽減しつつ、生活や社会参加の回復を図ることができます。

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