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双極性障害とカウンセリング
**双極性障害(Bipolar Disorder:BD)**は、気分の極端な変動(躁状態と抑うつ状態)が繰り返される精神障害です。生活や仕事、人間関係に大きな影響を与えることが多く、カウンセリングを通じた心理的支援は、症状管理や生活の安定化に非常に重要です。
1. 双極性障害とは
双極性障害は、気分の波が高揚する「躁状態」と落ち込む「抑うつ状態」を繰り返す特徴があります。躁状態では多動や過剰な自信、衝動的行動が現れ、抑うつ状態では気力の低下、興味喪失、倦怠感が強くなります。気分の変動は日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼします。
主な症状
躁状態
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高揚感や過剰な自信
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睡眠欲求の減少
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多弁、思考の飛躍
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衝動的行動や浪費
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注意散漫、判断力の低下
抑うつ状態
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気力や意欲の低下
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興味・喜びの喪失
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不安感や罪悪感の増大
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集中力・思考力の低下
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睡眠障害や食欲変動
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自殺念慮や自傷行為のリスク
双極性障害は、症状の周期性や個人差が大きいため、専門的なカウンセリングや生活管理が必要です。
2. カウンセリングが双極性障害に有効な理由
BDでは、気分変動による生活リズムの乱れや心理的負担が症状悪化につながることがあります。カウンセリングは、気分変動の理解、ストレス対処法の習得、生活リズムの安定化を支援することで、症状管理と生活の質向上に寄与します。
2-1. 気分変動の理解と自己管理
カウンセリングでは、躁・抑うつのサイクルや症状の兆候を理解し、早期に気分変動を把握する方法を学びます。自己管理能力を高めることで、症状の悪化を予防できます。
2-2. 認知行動療法(CBT)による思考修正
CBTを通じて、躁状態や抑うつ状態で生じる過剰な思考や否定的思考を調整します。気分に応じた行動調整やストレス対処法を学ぶことで、心理的安定が促進されます。
2-3. ストレスマネジメントとリラクゼーション
呼吸法、マインドフルネス、筋弛緩法などで心理的負担を軽減し、生活リズムの安定化を図ります。ストレス管理は躁・抑うつ状態の悪化予防に効果的です。
2-4. 心理教育
本人や家族が双極性障害の特徴や症状への対応法を理解することで、安心感が得られ、症状の悪化や家族間の摩擦を防ぐことができます。
3. カウンセリングの種類と特徴
双極性障害に対応するカウンセリングには、以下の方法があります。
3-1. 認知行動療法(CBT)
気分変動に関連する思考や行動パターンを修正し、心理的安定や生活機能の向上を支援します。
3-2. ソーシャルリズム療法(IPSRT)
生活リズムや睡眠・食事・活動スケジュールを安定させることで、気分変動の予防や症状軽減を目指します。
3-3. 心理教育型カウンセリング
本人や家族が症状の理解と対処法を学ぶことで、安心感と自己管理能力を高め、再発予防に役立ちます。
3-4. オンラインカウンセリング
自宅から安全に専門家の支援を受けつつ、CBT、IPSRT、心理教育、リラクゼーション法を継続できます。通院負担を減らし、心理的安定を維持することが可能です。
4. カウンセリングの進め方
初回セッションでは、気分変動のパターン、生活リズム、心理的負担、日常生活への影響を整理します。その後、CBT、IPSRT、心理教育、リラクゼーション法を組み合わせ、段階的に自己管理能力、心理的安定、生活の質向上を目指します。週1回以上の継続セッションが推奨されます。
5. 薬物療法との併用
双極性障害では、気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)や抗精神病薬が用いられることがあります。カウンセリングと併用することで、症状管理能力や心理的安定の効果が高まります。
6. カウンセリングのメリットまとめ
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気分変動のサイクルや兆候を理解し、自己管理力を高められる
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CBTで思考や行動パターンを修正できる
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IPSRTで生活リズムの安定化を図れる
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心理教育で本人や家族の理解と安心感を深められる
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オンライン対応で安全に継続的な支援を受けやすい
双極性障害は、気分変動による心理的負担や生活の乱れが再発や悪化につながることがあります。カウンセリングを通じて、気分の自己管理、心理的安定、生活の質向上を図ることで、日常生活や社会参加の安定化が可能です。
7. まとめ
双極性障害(BD)は、躁状態と抑うつ状態の極端な気分変動が特徴の精神障害です。カウンセリングでは、CBT、IPSRT、心理教育、リラクゼーション法を通じて、思考・行動パターンの修正、生活リズムの安定化、心理的安定、生活の質向上を支援します。オンラインカウンセリングを活用すれば、自宅から安全に専門家の支援を受け、気分変動への対応力を高めつつ生活や社会参加の安定化を図ることができます。