ブログ

2025-08-15 11:46:00

摂食障害と心理カウンセリング

摂食障害は、食事や体重、体型に関する極端なこだわりや行動が日常生活や健康に深刻な影響を及ぼす精神疾患です。代表的なものには、過食症、拒食症、過食・排出型(過食後に嘔吐や下剤使用などを行う)があります。摂食障害は若年層に多く見られますが、成人になってから発症するケースもあります。適切な支援や治療を受けることで、症状の改善や生活の安定化が期待できます。その中で心理カウンセリングは、心の問題に向き合い、生活習慣の改善や自己肯定感の回復を支援する重要な役割を果たします。

摂食障害とは

摂食障害は、食事や体重に関する強い不安や行動の偏りを特徴とします。具体的には以下の症状があります。

  • 拒食症(神経性やせ症):体重増加への強い恐怖感から、極端な食事制限や過度な運動を行う

  • 過食症(神経性過食症):短時間に大量に食べる過食エピソードを繰り返し、その後、嘔吐や下剤、絶食で体重増加を防ごうとする

  • 過食性障害(過食行動のみ):過食は行うが、排出行為は伴わないケース

摂食障害は身体的健康に影響を及ぼすだけでなく、心の健康や社会生活にも大きな負担をかけます。たとえば、体重管理や食事制限に強いこだわりがあるため、学校や仕事、友人関係に支障をきたすことがあります。

摂食障害の原因

摂食障害の原因は、複合的で個人差があります。

  • 心理的要因:自己評価の低さ、完璧主義、強い不安感や抑うつ傾向

  • 社会的要因:美意識の強調、理想体型のプレッシャー、家族や友人からの期待

  • 生物学的要因:遺伝や脳内神経伝達物質の異常、ホルモンバランスの乱れ

  • 環境要因:ストレスフルな出来事やトラウマ体験

これらの要素が重なることで、摂食行動や体型への異常なこだわりが形成され、長期化する場合があります。

カウンセリングの役割

摂食障害の治療には、栄養管理や医療機関での治療と心理カウンセリングを組み合わせることが効果的です。心理カウンセリングは、食事や体型に対する不安や強迫的な行動を和らげ、心身のバランスを取り戻すために重要です。

1. 食事に対する認知の整理

摂食障害では、「太るとダメ」「食べることは悪」という過剰な認知が症状を悪化させます。カウンセリングでは、食事や体重に対する歪んだ考えを整理し、現実的かつ柔軟な思考に変えていく支援を行います。

2. 感情の理解と対処

摂食障害の背景には、自己否定や抑うつ、不安などの感情があることが多いです。カウンセリングでは、こうした感情を認識し、健康的な方法で対処するスキルを学びます。感情のコントロールが改善されることで、食行動の安定化につながります。

3. 認知行動療法(CBT)

認知行動療法は摂食障害の改善に有効です。食事や体型に関する思考や行動パターンを整理し、段階的に改善を図ります。過食や拒食の行動を段階的に修正する「行動実験」を通じて、症状の軽減を目指します。

4. 自己肯定感の回復

摂食障害の多くは、自己評価の低さや自己否定感と密接に関係しています。カウンセリングでは、自分の価値や強みを再認識し、自己肯定感を高めるサポートを行います。自己肯定感の向上は、長期的な症状改善に不可欠です。

5. 家族支援

摂食障害は本人だけでなく家族やパートナーにも影響を与えます。カウンセリングでは、家族への教育や支援方法のアドバイスを行い、家庭内での理解とサポート体制を整えることが可能です。

オンラインカウンセリングの活用

オンラインカウンセリングは、摂食障害の支援にも活用されています。外出が難しい場合や、食事に関する羞恥心から相談をためらう場合でも、自宅で安全に専門家と面談できるのが大きなメリットです。

オンラインカウンセリングの利点は以下の通りです。

  • 自宅で安心して相談できる

  • 匿名性が確保され、話しやすい

  • 全国どこからでも専門家とつながれる

  • 通院の負担や交通費を削減できる

オンラインでも、認知行動療法や感情対処法、自己肯定感の回復、家族支援など、対面と同様のサポートが受けられます。

カウンセリングを受ける際のポイント

摂食障害でカウンセリングを受ける場合、以下のポイントが重要です。

  1. 資格のある専門家を選ぶ
    臨床心理士や公認心理師など、信頼できる専門家に相談することが安心です。

  2. 医療機関との併用を検討する
    症状が重い場合は、栄養管理や薬物療法と心理カウンセリングを組み合わせることで、より効果的に症状改善が期待できます。

  3. 継続的に取り組む
    カウンセリングは一度で完結するものではなく、定期的に続けることで効果が高まります。

  4. 家族や支援者と連携する
    カウンセリングで学んだ知識や対応法を家族と共有することで、支援環境を整えることができます。

まとめ

摂食障害は、食事や体型への強いこだわりや行動が健康や生活に影響を与える精神疾患です。しかし、心理カウンセリングを活用することで、食事に対する認知の整理、感情の理解と対処、認知行動療法による行動改善、自己肯定感の回復、家族支援など、多角的に症状の改善を目指すことが可能です。オンラインカウンセリングを利用すれば、自宅で安心して専門家の支援を受けられ、羞恥心や外出困難があっても継続的なサポートを得ることができます。

摂食障害に悩む人は、一人で抱え込まず、信頼できるカウンセラーと共に症状に向き合い、少しずつ健康的な食行動と自己肯定感を取り戻すことが回復への第一歩です。

Today's Schedule