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2025-08-15 11:41:00

双極性障害における心理カウンセリングの役割

双極性障害は、抑うつ状態と躁状態が交互に現れる精神疾患であり、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼすことがあります。発症すると、感情や思考、行動が大きく揺れ動くため、本人や周囲にとって負担が大きくなります。適切な支援を受けることが回復の鍵となります。その中で心理カウンセリングは、症状の理解や自己管理能力の向上、再発予防など、重要な役割を果たします。本記事では、双極性障害の特徴と症状、心理カウンセリングの具体的な支援内容、オンラインカウンセリングでの活用法について詳しく解説します。

双極性障害とは

双極性障害は、以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。特徴的なのは、気分の極端な変動です。抑うつ状態では、気分の落ち込み、意欲の低下、食欲や睡眠の変化、集中力の低下などが現れます。一方、躁状態では、気分の高揚、活動量の増加、睡眠の減少、衝動的な行動、過度な自信や多弁といった症状が見られます。

双極性障害は発症年齢が若年期から成人期にかけて多く、遺伝的要素や神経伝達物質のバランス、生活リズムの乱れなどが関与しています。症状は個人差が大きく、抑うつと躁のエピソードの長さや頻度も人によって異なります。適切な治療を行わないと、生活や仕事、人間関係に大きな影響を与え、再発のリスクも高まります。

双極性障害の治療

双極性障害の治療は、主に薬物療法と心理療法の組み合わせで行われます。薬物療法では、気分安定薬や抗うつ薬、抗精神病薬などが使用されることがあります。しかし、薬物療法だけでは症状管理や再発予防が十分でない場合があり、心理カウンセリングなどの支援が不可欠です。

心理カウンセリングは、感情の調整、生活リズムの管理、ストレス対処法の習得などを通じて、症状の安定化や再発予防に役立ちます。また、家族や周囲の理解を深めることも心理カウンセリングの重要な役割です。

心理カウンセリングの役割

双極性障害における心理カウンセリングでは、以下のような支援が行われます。

1. 感情のモニタリングと自己理解

双極性障害では、気分の急激な変動が起こるため、本人が自分の状態を把握することが難しい場合があります。カウンセリングでは、日記や気分記録を活用して気分の変化をモニタリングし、抑うつや躁の兆候を早期に把握する手助けをします。これにより、自分の症状を理解し、適切な対応を取る力が養われます。

2. ストレスマネジメント

ストレスは双極性障害の再発や症状悪化の要因となることがあります。心理カウンセリングでは、ストレスの原因を整理し、対処法を学ぶことができます。呼吸法やリラクゼーション、認知行動療法などを取り入れ、日常生活でのストレス管理を支援します。

3. 生活リズムの安定化

双極性障害では、睡眠不足や不規則な生活リズムが症状悪化のトリガーになることがあります。カウンセリングでは、就寝・起床時間の調整、日常活動の計画化、過度な活動や衝動的行動の管理など、生活リズムを整えるサポートを行います。

4. 再発予防と早期介入

双極性障害は再発する可能性が高いため、早期の兆候を見逃さずに対処することが重要です。心理カウンセリングでは、躁や抑うつの兆候を本人や家族と共有し、早期介入の方法を学ぶことができます。これにより、症状の悪化を防ぎ、生活の安定化につなげることが可能です。

5. 家族支援とコミュニケーション改善

双極性障害は本人だけでなく、家族やパートナーにも影響を与えます。カウンセリングでは、家族への教育やコミュニケーション改善の支援を行い、支援環境を整えることができます。家族が症状の理解を深めることで、本人の回復をサポートする力が高まります。

オンラインカウンセリングの活用

近年では、オンラインカウンセリングが双極性障害の支援にも活用されています。自宅で専門家と面談できるため、体調が優れない日でも安心して相談できる環境が整います。

オンラインカウンセリングの利点は次の通りです。

  • 通院の負担がなく、自宅から相談可能

  • 匿名性が確保されやすく、相談しやすい

  • 地域に関係なく、自分に合った専門家とつながれる

  • 柔軟なスケジュールで継続しやすい

オンラインでも、気分記録の共有や認知行動療法、生活リズム管理、ストレス対策など、対面と同様の支援を受けることができます。特に躁状態や抑うつ状態で外出が難しい場合でも、継続的なサポートが可能です。

カウンセリングを受ける際のポイント

双極性障害でカウンセリングを受ける場合、以下のポイントを押さえることが重要です。

  1. 資格のある専門家を選ぶ
    臨床心理士や公認心理師など、信頼できる専門家に相談することが安心です。

  2. 医療機関との併用を検討する
    薬物療法と心理カウンセリングを組み合わせることで、症状の安定化と再発予防が効果的に行えます。

  3. 定期的に継続する
    カウンセリングは一度で完結するものではなく、定期的に続けることで効果が高まります。

  4. 家族や周囲の理解を得る
    カウンセリングで学んだ知識や対処法を家族と共有することで、支援環境を整えることができます。

まとめ

双極性障害は抑うつと躁の波が繰り返す精神疾患であり、生活や社会活動に大きな影響を与えることがあります。しかし、心理カウンセリングを活用することで、感情のモニタリング、ストレス管理、生活リズムの安定化、再発予防、家族支援など、多角的にサポートすることが可能です。オンラインカウンセリングを併用すれば、自宅にいながら専門家の支援を受けることができ、症状改善や生活の安定につながります。

双極性障害に悩む人は、一人で抱え込まず、信頼できるカウンセラーと共に自分の症状に向き合い、少しずつ生活の安定を目指すことが回復への第一歩です。

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