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統合失調症(スキゾフレニア)には医療とカウンセリングの両立が大切です
統合失調症(スキゾフレニア)は、幻聴や妄想、思考の混乱、意欲の低下などを特徴とする精神疾患で、適切な治療と支援が必要不可欠です。一般的には精神科での薬物療法が中心になりますが、薬だけに頼るのではなく、カウンセリング(心理療法)を併用することが、より安定した回復や社会生活の維持につながると考えられています。
今回は、統合失調症の治療において、医療とカウンセリングの両立がなぜ重要なのか、そのメリットや実際の活用法についてご紹介します。
統合失調症とはどんな病気?
統合失調症は、主に思考や感情、現実認識に影響を及ぼす脳の病気です。原因ははっきりとわかっていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れやストレス、遺伝的要因などが関係しているといわれています。
主な症状には以下のようなものがあります:
- 幻聴(誰かに話しかけられていると感じる)
- 妄想(被害を受けていると思い込む)
- 思考の混乱(話の筋が通らなくなる)
- 意欲の低下(何もしたくなくなる)
- 感情表現の乏しさ(喜怒哀楽が少なくなる)
これらの症状は本人にとって非常につらいものであり、周囲の理解と支援が欠かせません。
医療とカウンセリング、それぞれの役割
医療(薬物療法)の役割
統合失調症の治療では、まず抗精神病薬による薬物療法が基本です。薬は幻覚や妄想などの陽性症状を抑える効果があり、急性期の症状を安定させるために非常に重要です。また、再発を予防するためにも、一定期間の服薬が必要です。
カウンセリング(心理社会的支援)の役割
症状が落ち着いてきた後は、生活の質(QOL)を向上させ、再発を防ぐための支援が求められます。ここで大きな役割を果たすのが、カウンセリングを含む心理社会的アプローチです。
具体的には以下のような支援が含まれます:
- 認知行動療法(CBT):幻聴や妄想への対応法を学ぶ
- ストレス管理:再発の引き金となるストレスを軽減する方法を身につける
- 自己理解の促進:病気への理解を深め、自分なりの対処法を見つける
- 家族支援:家族との関係を改善し、サポート体制を整える
- 社会復帰支援:就労や人間関係の悩みに対する支援を受ける
医療とカウンセリングを両立するメリット
1. 再発のリスクを軽減できる
薬だけではストレスや環境要因に対応しきれないことがあります。カウンセリングを取り入れることで、再発のリスクを下げることができます。
2. 社会生活への自信がつく
「病気があるから無理」と諦めてしまう前に、カウンセラーと一緒に現実的な目標を立て、小さな成功体験を重ねることができます。
3. 病気とのつき合い方を学べる
病気を完全に「治す」ことよりも、上手につき合いながら自分らしく生きていくことが、長期的にはとても大切です。カウンセリングはその力を育てます。
実際にあったケース
30代男性・会社員
大学時代に統合失調症を発症し、一時は入院治療を受けた。退院後は服薬を続けながら、月2回のカウンセリングを継続。ストレス対処法や職場での人間関係の相談を重ね、現在は社会復帰してフルタイム勤務を継続中。カウンセリングを「自分の調整室」として活用している。
どこでカウンセリングを受けられる?
精神科クリニックや心療内科の一部では、医師と連携した心理カウンセリングが受けられる場合があります。また、オンラインカウンセリングを活用すれば、通院が難しい方でも自宅からサポートを受けることができます。
NEEDROOMのような、精神疾患に精通した専門カウンセラーが在籍している施設もおすすめです。
まとめ
統合失調症は、医療だけでなく心のサポートを含む総合的なケアが不可欠な病気です。薬物療法で症状を安定させ、カウンセリングで自己理解と生活支援を行うことで、より良い社会復帰や再発予防につながります。
「病気と向き合うのが怖い」「話すのが不安」という方も、無理をせず、まずは一歩だけ踏み出してみてください。医療とカウンセリングの両立が、あなたの生活に安定と希望をもたらします。