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大切な家族がうつ病になったら? 家族ができる「カウンセリング的な」サポート
家族がうつ病と診断されたとき、どう接すればいいか分からず、戸惑いや不安を感じるのは当然のことです。「何かできることはないか」「どうすれば助けになるだろう」と考えるのは、大切な人を想う気持ちの表れです。
ここでは、専門的なカウンセリングとは少し違いますが、家族としてできる「カウンセリング的な」サポート、つまり、本人の心に寄り添い、安心感を与えるための接し方をご紹介します。
1. 「聴く」ことに徹する
「頑張って」「きっと良くなるよ」といった励ましは、つらい状況にある本人にとって、時にプレッシャーになってしまうことがあります。なぜなら、うつ病の方は、すでに十分に頑張ろうとしているからです。
大切なのは、アドバイスや励ましではなく、ただ「聴く」ことです。本人が話したいときに、ただそばにいて、静かに耳を傾けてください。
「そうか」「うんうん」と相槌を打つだけで大丈夫です。話すのが難しければ、無理に話させようとせず、「いつでも話したくなったら聞くよ」という姿勢を見せるだけで、大きな安心感につながります。
2. 「否定しない」「判断しない」
うつ病になると、「自分はダメだ」「みんなに迷惑をかけている」といった否定的な考えにとらわれがちです。家族が「そんなことないよ」と否定してしまうと、本人は「このつらさを分かってもらえない」と感じ、さらに孤立感を深めてしまうことがあります。
本人の感情や考えを、そのまま受け入れてください。
- 「つらいね」
- 「悲しいね」
- 「そう思うんだね」
このように、本人の気持ちを言葉にして返すことで、「自分のことを分かってくれている」という感覚が生まれ、信頼関係が深まります。正しいか間違いかを判断するのではなく、まずは「そのままでいい」と伝えてあげることが大切です。
3. 「小さな変化」を見つけて伝える
うつ病の回復には時間がかかります。一進一退を繰り返す中で、本人は「全然良くなっていない」と感じてしまいがちです。
そんなとき、日々の小さな変化に気づき、具体的に伝えてあげてください。
- 「今日はご飯を少し食べられたね」
- 「散歩に5分行けてすごいね」
- 「いつもより顔色が良さそうだね」
こうした言葉は、本人が自分では気づけない「回復の兆し」を教えてくれます。それが、回復への自信や希望につながることがあります。
家族自身のケアも忘れないで
最後に、一番大切なことをお伝えします。それは、家族自身も自分の心身を大切にすることです。
うつ病の家族を支えることは、大きなストレスになります。無理をして共倒れになってしまっては、元も子もありません。
- 趣味の時間を持つ
- 友人と会って話す
- 医療機関や支援団体に相談する
など、自分自身のストレスケアを意識的に行ってください。家族が元気でいることが、結果的に本人の支えにもなります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも視野に入れて、自分自身のことも大切にしてくださいね。