ブログ
アメリカでのピアカウンセリングの実態とは?歴史・普及状況・特徴を解説
ピアカウンセリングは世界中で注目されている心のケアの方法ですが、特にアメリカでは長い歴史と広範な普及が進んでいます。
ここでは、アメリカにおけるピアカウンセリングの実態を、歴史背景、利用状況、特徴や課題を交えてご紹介します。
アメリカでのピアカウンセリングの歴史
アメリカでピアカウンセリングの原型が広まったのは20世紀中頃です。
精神疾患患者の自主グループやアルコール依存症の匿名会(AA)が先駆けとなり、同じ悩みを持つ者同士が助け合う仕組みが確立されました。
その後、HIV/AIDS患者の支援グループやトラウマ体験者のサポートグループなど、様々な分野に広がりました。
アメリカでの普及状況
アメリカでは公的機関やNPO、地域コミュニティなどでピアサポートプログラムが多く運営されています。
精神保健の分野だけでなく、薬物依存回復、HIV支援、犯罪被害者支援など幅広い分野で活用されています。
また、病院やリハビリ施設の中にもピアサポーターを配置する例が増え、専門的な訓練を受けたピアサポーターが活躍しています。
特徴と強み
アメリカのピアカウンセリングは、「ピアサポーター認定制度」があることが大きな特徴です。
専門的な研修や資格制度を整備し、ピアサポーターのスキル向上とサービスの質の担保を図っています。
これにより、利用者にとって安全で信頼できる支援が提供されています。
オンラインピアサポートの拡大
デジタル技術の発展に伴い、オンラインでのピアカウンセリングやピアサポートグループも増えています。
特に遠隔地や障害のある人にとってアクセスしやすく、コロナ禍でさらに需要が高まりました。
課題と今後の展望
一方で、ピアカウンセラーの役割と医療専門職の役割の境界があいまいになりやすいことや、資金面の課題も指摘されています。
また、多様な人種・文化背景に対応するための取り組みも進められています。
今後もアメリカでは、ピアカウンセリングが公的なメンタルヘルス支援の重要な一翼を担う存在として発展が期待されています。