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心理テストをするカウンセラーと話を聞いてくれるカウンセラー、どちらが優秀?
「心理テストばかり?」「話を聞くだけ?」どちらが正しいの?
カウンセリングに興味がある方や、実際に受けたことがある方からよく聞く疑問に、
「心理テストをやるカウンセラーと、話だけ聞いてくれるカウンセラーって、どちらがいいんですか?」
「どっちのほうが信頼できる?優秀なのは?」
というものがあります。
確かに、カウンセラーによってアプローチの仕方が異なるため、「この人、話を全然聞いてくれない」「逆に、心理テストもせずに話ばかりでいいのかな」と不安を感じる方もいるでしょう。
この疑問に対する答えはシンプルで、「どちらが優秀か」ではなく、「あなたにとってどちらが必要か」で考えることが大切です。
この記事では、心理テストを活用するカウンセラーと、対話中心のカウンセラーの違いや役割、それぞれの強みと注意点について解説します。
心理テストを使うカウンセラーの特徴と強み
心理テスト(心理検査)は、相談者の性格傾向や認知のクセ、ストレス状態、発達特性などを客観的に把握するためのツールです。
心理テストを重視するカウンセラーは、次のような特徴を持っています。
・診断補助のために正確な情報を得たい
・数値や結果をベースにした支援方針を立てたい
・言葉にしづらい悩みや無自覚な傾向を把握したい
・学校、職場、医療機関などでレポート提出が必要なケースに対応できる
特に、医療や教育分野では心理テストが重要な意味を持つことが多く、検査の結果が支援の根拠として必要になることもあります。
たとえば、
・発達障害の傾向を見極める
・うつや不安の程度を数値化する
・性格や対人傾向を客観的に理解する
・記憶力や集中力の状態を評価する
など、心理テストには“目に見えない心の動き”を見える形にする力があります。
つまり、言葉では分かりにくい情報を補ってくれるのが心理テストの強みです。
話を聞くことを重視するカウンセラーの特徴と強み
一方で、対話中心のカウンセラーは、「話を丁寧に聴く」ことを主軸に置きます。
このタイプのカウンセラーは、以下のような姿勢を大切にしています。
・相談者の感情や思考を受け止め、整理を助ける
・自分の気持ちや考えに気づくプロセスを支える
・安心して話せる関係性(ラポール)を築く
・「今、何がつらいのか」「本当はどうしたいのか」に焦点をあてる
このアプローチは、「今ここ」の心の状態に寄り添い、言葉による表現や気づきを通して内面を整理していくことに力があります。
とくに、「とにかく話を聞いてほしい」「頭の中を整理したい」「誰にも言えないことを吐き出したい」という人にとっては、対話中心のカウンセリングのほうが癒しや納得感を得やすいでしょう。
また、カウンセリングは“関係性の中で変化が生まれる”と言われるように、カウンセラーとの信頼関係が深まるほど、悩みの本質に近づけることもあります。
どちらが優秀かは「目的による」
では、心理テスト重視のカウンセラーと、話を重視するカウンセラー、どちらが優秀なのか。
答えは、「目的やタイミングによって、どちらが“あなたにとって適しているか”が変わる」ということです。
例えば、
- 発達障害の診断や支援を考えている → 心理テストが必要
- 今の気持ちを誰かに整理してもらいたい → 対話中心が向いている
- 職場での配慮を依頼するための文書が必要 → 心理検査が役立つ
- 何がつらいのか分からないけど誰かに話したい → 話を聞くカウンセラーが適している
つまり、「カウンセラーの技法」ではなく、「あなたの悩みの性質や目的」によって、合うスタイルが変わるのです。
どちらのタイプが“優秀”というより、必要なときに必要な技法を選べるカウンセラーが本当に優秀だと言えるでしょう。
両方をバランスよく使うカウンセラーもいる
優秀なカウンセラーほど、「心理テストか」「対話か」の二者択一ではなく、状況に応じて両方を適切に組み合わせています。
たとえば、
・最初は話を中心にし、必要があればテストを勧める
・心理検査の結果を説明しながら、そこから対話につなげる
・検査で見えた傾向を、実際の生活の中でどう感じているかを深掘りする
このように、テストの数値と相談者の感覚を両方大切にする柔軟なスタイルが、実は一番信頼できる形かもしれません。
「この人はテストばかり」「この人は何も判断してくれない」など、極端な対応ではなく、相談者に寄り添いながら方法を選ぶことができるカウンセラーが、結果として良い支援につながります。
カウンセラーを選ぶときのポイント
カウンセリングを受ける際、どんなカウンセラーを選べばよいか迷ったら、以下の点をチェックしてみましょう。
・自分の話を遮らずに聞いてくれるか
・テストを勧めるときに理由をきちんと説明してくれるか
・「今日は話をしたい」と伝えたら、それを尊重してくれるか
・答えや評価を押しつけてこないか
・柔軟に方法を調整してくれるか
最終的には、「この人になら話せる」「自分をちゃんと見てくれている」と感じられるかどうかが、カウンセリングの成果に大きく関わります。
また、1回で決めずに2〜3回試してみて判断するのもおすすめです。
心理テストに抵抗があるときは遠慮なく伝えてOK
もしカウンセリング中に心理テストを提案されて、なんとなく気が進まないと感じたら、無理に受ける必要はありません。
心理テストはあくまで補助的な道具であり、強制ではありません。
「今は話すことを大事にしたい」
「数字に縛られるのが不安」
といった気持ちを率直に伝えて大丈夫です。
良いカウンセラーであれば、あなたの気持ちに配慮して対応してくれるはずです。
反対に、理由も説明せずに検査を強引に進めようとするカウンセラーであれば、一度立ち止まって考えてもいいかもしれません。
まとめ:あなたに合ったカウンセリングスタイルを見つけよう
「心理テストをするカウンセラーと、話を聞いてくれるカウンセラー、どちらが優秀か?」という問いに、はっきりとした“正解”はありません。
大切なのは、
- 今のあなたにどんな支援が必要か
- 話を聞いてもらうことと、客観的に分析されること、どちらに安心を感じるか
- 一方的に進めるのではなく、あなたのペースを尊重してくれるか
という視点でカウンセラーを選ぶことです。
本当に信頼できるカウンセラーは、心理テストも対話も目的に応じて適切に使い分けながら、あなたの心に寄り添い続けてくれる存在です。
カウンセリングに「正解のかたち」はありません。
あなた自身の気持ちやタイミングを大切にして、「自分に合った支援スタイル」を選ぶことが、何よりも心の回復への第一歩になります。