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2025-07-30 12:34:00

心理テストをご希望の方へ——私たちのカウンセリング方針について

カウンセリングを求める理由は人それぞれ

近年、カウンセリングに対する関心は高まり、インターネットや口コミなどを通して、さまざまな人がカウンセリングルームを訪れるようになりました。

その中でよくあるご要望のひとつが、「心理テストをしてほしい」「自分の性格や傾向を数値で知りたい」というものです。

たしかに、心理検査は客観的に自分の状態を把握するための便利なツールです。
「自分の傾向を知りたい」「発達障害があるか確認したい」「診断の補助として検査を受けたい」といったご希望があるのも理解できます。

しかし、私たちのカウンセリングルームでは、心理テストの実施や診断補助的な検査の提供は行っておりません

心理テストを中心にした支援をご希望の方には、誠に申し訳ありませんが、他の専門機関や検査対応可能なカウンセリングルームをご検討いただくようお願いしています

この記事では、その理由や私たちのカウンセリング方針について、できる限り丁寧にご説明します。

私たちが心理テストを行わない理由

心理テスト自体が悪いものだとは考えていません。
それどころか、医療機関や教育現場などでは重要な情報源になる場合も多く、適切に使えば有効な手段です。

ではなぜ、私たちが心理テストを扱わないのか。

それには以下のような明確な理由があります。

1.「対話による変化」を大切にしているから

私たちが大切にしているのは、対話を通じて、自分の気持ちや考えに気づき、自分自身で選択していけるようになることです。

心理テストで数値や傾向を知っても、「自分はこうだから仕方ない」とラベリングされて終わってしまうことも少なくありません。
そうではなく、対話の中でじっくりと自分を見つめ、気づき、整理していくプロセスこそが、深い変化につながると信じているのです。

そのため、短時間で結果を出す検査ではなく、「話すこと」によって得られる自己理解を重視しています。

2.診断や評価が目的ではないから

心理検査の結果は、時に「診断」や「評価」へとつながります。

しかし、私たちは診断を下す立場にありませんし、そもそも評価を目的とした関わり方は行っておりません。

「あなたはこういうタイプです」
「この傾向があります」

といった外からの分析よりも、その人自身の言葉で語られる物語を大切にしたいと考えています。

私たちは、あなたが「どんな数字で表される人か」ではなく、「どんなことに悩み、どんな思いで日々を過ごしているか」を大切にします。

3.検査が必要な場合は、適切な専門機関の紹介をおすすめしているから

もし本当に心理検査や診断が必要であれば、それは医療機関や心理検査を専門に行っているカウンセリングルームの領域です。

  • 発達障害の診断を受けたい
  • 学校や職場に提出する書類が必要
  • 認知機能の評価を受けたい

このようなニーズに対しては、しかるべき専門家のもとでの対応が望ましいと私たちは考えています。

私たちは「何でも屋」ではなく、自分たちの専門領域に誠実であることを第一にしています。

私たちのカウンセリングが大切にしていること

私たちが日々大切にしているのは、次のようなカウンセリングの基本姿勢です。

  • 話を丁寧に聴くこと:どんな話でも否定せず、共感的に受け止めます
  • 問題点を一緒に整理すること:何がつらいのか、何に困っているのかを一緒に見つけていきます
  • 必要な視点や提案を提供すること:必要に応じて、考え方の整理や現実的なアドバイスも行います
  • 「自分を生きる力」を取り戻すこと:その人が自分で考え、選び、行動できるようになることを目指します

これは、短期的な解決や診断よりも、長期的に「その人らしく生きる力」を育てることに焦点を当てた関わり方です。

「数字」よりも「言葉」を大切にしたい

心理テストは、確かに客観的な情報を提供してくれます。
ですが、数字や結果だけでは語れない、その人なりのストーリーがあります。

  • なぜそれがつらいのか
  • いつから苦しかったのか
  • 何に我慢してきたのか
  • 本当はどうしたかったのか

そうした「言葉になっていない声」に耳を傾けることが、私たちのカウンセリングの中心です。

検査や診断によって「自分が何者か」を知ることもひとつの手段ですが、対話によって「自分で自分を理解していく」プロセスの方が、深い変化を生み出します。

私たちはそのプロセスを信じて、今日もカウンセリングを行っています。

もし心理検査をお望みなら、他の機関をご利用ください

繰り返しになりますが、心理検査を希望される方には、私たちでは対応できません。

そのため、以下のようなニーズをお持ちの方は、他の専門機関へのご相談をおすすめします。

  • 発達障害やADHDの診断を希望している
  • 学校や職場で必要な文書の作成が目的である
  • WAISWISC、ロールシャッハなどの正式な検査を受けたい
  • 数値で客観的な結果を得たい

当ルームでは、これらのご要望に対応する設備・資格・体制を整えていないため、誠実にお断りさせていただいております

ご理解とご協力をお願いいたします。

最後に——私たちのカウンセリングを必要としてくださる方へ

私たちが行っているのは、派手な技法や即効性のある解決ではありません。
けれども、確実に「心に寄り添う」ことには自信があります。

  • 誰にも言えないことを話したい
  • 今の自分を整理したい
  • 自分らしさを取り戻したい
  • つらさの正体をゆっくり探っていきたい

こうした思いをお持ちの方には、全力で寄り添い、丁寧にお話を伺う準備ができています。

私たちのカウンセリングスタイルは、「心の奥にある言葉」を丁寧に紡いでいく、静かであたたかいプロセスです。

心理テストでは得られない、「本当の自分を知る時間」を大切にしたい方にとっては、きっと価値ある時間になると信じています。

どうか、必要な人にこのスタンスが届きますように。

 

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