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2025-07-30 12:14:00

肝心な悩みをカウンセラーが聞いてくれないと感じたら:その理由と対処法

「せっかく勇気を出してカウンセリングに行ったのに、肝心な悩みをカウンセラーが聞いてくれない」。こんな経験は、非常に残念で、信頼を失うことにもつながりかねません。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?そして、もしあなたがそう感じたら、どうすれば良いのかを解説します。

なぜ「肝心な悩み」を聞いてくれないと感じるのか?

カウンセラーがあなたの最も伝えたい悩みに寄り添ってくれないと感じるのには、いくつかの理由が考えられます。

1. クライアント側が肝心な悩みを伝えきれていない

これは意外に多いケースです。

  • 話すことへの躊躇や抵抗: 最も深い悩みや辛い経験は、話すことに強い抵抗や恐れを感じることがあります。そのため、無意識のうちに避けてしまったり、遠回しな表現になったりすることがあります。
    • 例:「本当は親との関係が一番辛いのに、仕事のストレスの話ばかりしてしまった」
  • 「話さなくても察してほしい」という期待: カウンセラーなら、言わなくても自分の辛さを理解してくれるだろう、と期待してしまうことがあります。しかし、カウンセラーはエスパーではありません。あなたが言葉にしない限り、心の奥底にある本当の悩みには気づきにくいものです。
  • 混乱や整理不足: 悩みが複雑に絡み合っていて、何が一番の肝心な悩みなのか、自分自身でも整理できていないことがあります。その場合、カウンセラーもどこに焦点を当てるべきか迷ってしまうことがあります。

2. カウンセラー側の問題やアプローチのずれ

残念ながら、カウンセラー側に問題がある場合もあります。

  • 傾聴スキルの不足: クライアントの話の表面だけを聞き、本質的な部分にまで深く耳を傾けられないカウンセラーもいます。共感性が低かったり、焦って解決策を提示しようとしたりする姿勢も、クライアントが「聞いてもらえていない」と感じる原因になります。
  • アセスメント(現状把握)の不足: カウンセリングの初期段階で、クライアントの状況を十分に把握せず、焦って特定のテーマに誘導してしまったり、自分の得意なアプローチに固執してしまったりすることがあります。
  • 相性の問題: カウンセラーとクライアントの相性が合わない場合、コミュニケーションがスムーズに進まず、肝心な部分が伝わらないことがあります。カウンセラーの雰囲気や話し方が、あなたの「話しにくい」という感覚につながることもあります。
  • 時間配分の問題: セッションの時間が限られている中で、カウンセラーが焦って多くの情報を引き出そうとし、結果として一つの悩みに深く向き合う時間が取れない、というケースも考えられます。

「肝心な悩みを話せていない」と感じたらどうする?

もしカウンセリングでそう感じたら、諦めずに、以下の対処法を試してみてください。

1. 次回は「本当に話したいこと」を明確にする

セッションの前に、**今回最も話したいこと、聞いてもらいたいことを具体的に書き出してみましょう。**箇条書きでも、短文でも構いません。

  • 「今日は〇〇について話したいです。」
  • 「実は、前回話せなかった△△のことが一番の悩みです。」

このように準備しておくことで、セッションが始まってすぐに本題に入りやすくなります。

2. 最初に「これを話したい」と伝える

セッションが始まったら、まず最初に「今日は〇〇について、特に詳しくお話したいです」と、あなたの意図を明確に伝えてみましょう。

  • 「前回のセッションでは別の話になってしまいましたが、実は今日お話ししたいのは、親との関係についてです。」
  • 「今日の限られた時間の中で、この悩みだけはしっかり聞いていただきたいと思っています。」

このように伝えてもらうことで、カウンセラーもあなたのニーズを把握し、話の焦点を合わせやすくなります。

3. 「今、一番辛いのはこれです」と具体的に伝える

話の流れの中で、カウンセラーが別の話題に逸れようとしたり、あなたが話したいことと違う方向に行きそうになったりしたら、**「すみません、今一番辛いのはこの部分なんです」**と、遠慮せずに伝えてみましょう。

  • 「今お話している仕事のストレスもそうなんですが、実はその根底には、もっと深く家庭の問題があるように感じています。」
  • 「今考えていることの中で、一番頭を占めているのは〇〇なんです。」

あなたの感情を伴って伝えることで、カウンセラーもあなたの本音に気づきやすくなります。

4. カウンセラーに直接フィードバックする

最も勇気がいるかもしれませんが、正直な気持ちをカウンセラーに伝えることも重要です。

  • 「前回のセッションで、本当は〇〇についてもっと深く話したかったのですが、なかなか話す機会がありませんでした。」
  • 「私としては、もう少し〇〇の悩みに時間を割いていただきたいのですが、可能でしょうか?」

プロのカウンセラーであれば、あなたのフィードバックを真摯に受け止め、アプローチを調整してくれるはずです。これは、カウンセラーとクライアントの関係性をより強固なものにするきっかけにもなり得ます。

5. 別のカウンセラーを検討する

上記を試しても状況が改善しない、あるいはそもそもカウンセラーに伝えること自体が困難だと感じる場合は、別のカウンセラーを探すことも視野に入れましょう。 カウンセリングは相性が非常に重要です。あなたが安心して心を預けられない相手では、どんなに続けても十分な効果は得られにくいでしょう。複数のカウンセラーの初回セッションなどを利用して、あなたが本当に信頼し、心を開ける相手を見つけることが大切です。

カウンセリングは、あなたのための時間です。あなたが「肝心な悩みを話せていない」と感じているなら、それはあなたの心が「もっと深く理解されたい」と求めているサインです。勇気を持って声を上げるか、あなたに寄り添ってくれる別の場所を探すことで、きっと心の変化への道が開かれるはずです。

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