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2025-07-26 12:58:00
Zoomで広がる支援の輪:コミュニケーション症群のオンラインカウンセリング
私たちの日常生活に欠かせないコミュニケーション。しかし、言葉の理解や表現、あるいは社会的なやり取りに困難を抱えることで、日々の生活に支障が生じることがあります。これらの状態を総称して「コミュニケーション症群」と呼びます。近年、オンラインカウンセリングが普及し、特にZoomのようなビデオ通話ツールが、コミュニケーション症群を抱える方々やそのご家族にとって、新たな支援の形を提供しています。
コミュニケーション症群とは?
コミュニケーション症群は、発達障害の一種であり、主に以下のタイプに分けられます。それぞれ症状の現れ方が異なりますが、オンラインカウンセリングは共通して有効なアプローチとなり得ます。
- 言語症: 言葉の理解や表現に困難がある。語彙が少ない、文法が間違っている、話がまとまらないなどの特徴が見られます。
- 語音症: 正しい発音が難しく、言葉が不明瞭で聞き取りにくい状態です。
- 小児期発症流暢症(吃音): 話し言葉がスムーズに出ず、音の繰り返しや引き伸ばし、詰まりなどが現れます。
- 社会的(語用論的)コミュニケーション症: 言葉自体は問題ないものの、状況に応じた会話や対人関係のルール理解が難しい状態です。
Zoomを使ったオンラインカウンセリングのメリット
コミュニケーション症群の支援において、Zoomを活用したオンラインカウンセリングには、対面では得られない独自のメリットが多数あります。
- 慣れた場所で安心して話せる: カウンセリングルームという新しい環境は、不安や緊張を引き起こすことがあります。特にコミュニケーションに困難を抱える方にとって、慣れない場所でのセッションはさらにハードルが高くなる可能性があります。Zoomを使えば、自宅や学校、支援施設など、ご本人が最もリラックスできる慣れた場所から参加できます。これにより、安心して心を開き、スムーズにコミュニケーションを試みやすくなります。
- 移動の負担を解消: カウンセリングのために外出する手間、交通手段の確保、移動時間、交通費といった物理的な負担が一切かかりません。これは、外出自体に抵抗がある方、身体的な理由で移動が難しい方、あるいは付き添いが必要なご家族にとって、大きなメリットです。天候に左右されることもなく、安定してカウンセリングを継続できます。
- 柔軟なスケジュール調整が可能: オンラインの利点を活かし、仕事や学業、日中活動などの合間にもセッションを組み込みやすくなります。移動時間が不要な分、より多くの選択肢の中から、ご自身のペースに合った時間を見つけることができるでしょう。カウンセリングは継続が重要ですので、この柔軟性は支援の質を高める上で役立ちます。
- 視覚的なツールを最大限に活用: Zoomの画面共有機能は、コミュニケーション症群の支援において非常に強力なツールとなります。カウンセラーは、言葉の説明だけでなく、絵カード、写真、イラスト、文字情報などをリアルタイムで共有しながら、ご本人の理解を深めることができます。ホワイトボード機能を使って情報を整理したり、動画を再生したりすることも可能です。視覚優位で情報を処理する方には特に有効なアプローチとなるでしょう。
- ご家族との連携を強化: コミュニケーション症群の支援では、ご家族との連携が不可欠です。オンラインカウンセリングであれば、必要に応じてご家族が気軽に同席しやすくなります。ご本人が表現しにくい感情や状況についてご家族が補足したり、カウンセラーからご家族へ直接、具体的な関わり方や家庭でのサポート方法についてアドバイスしたりすることも容易です。これにより、家族全体で一貫した支援体制を築きやすくなります。
Zoomオンラインカウンセリングを始める際のポイント
Zoomを使ったオンラインカウンセリングをスムーズに始めるために、いくつかの準備と配慮が必要です。
- 安定したインターネット環境の確保: 通信の途切れや音声・映像の乱れは、カウンセリングの質を低下させます。安定したWi-Fi環境や有線LAN環境を確保しましょう。
- プライバシーが守られる場所の確保: カウンセリングは個人的な内容を話す場です。家族や周囲に聞かれないような、静かで集中できるプライベートな空間を選びましょう。
- 使用デバイスの確認と操作の練習: パソコン、タブレット、スマートフォンなど、使いやすいデバイスを用意し、事前にZoomアプリのインストール、マイク・カメラ・スピーカーの動作確認をしておくと安心です。必要に応じて、ご家族や支援者と一緒に操作の練習をしておきましょう。
- カウンセラーとの事前打ち合わせ: ご本人のコミュニケーション特性、理解度、集中力の持続時間、好きなことや苦手なことなどを、カウンセラーに詳しく伝え、セッションの進め方について事前に相談することが大切です。視覚支援の活用方法や休憩の取り方なども話し合っておくと良いでしょう。
- 緊急時の対応確認: 万が一、体調が悪くなった場合や気分が不安定になった場合の連絡先や対応フローを、事前にカウンセリング機関やカウンセラーと確認しておきましょう。
コミュニケーション症群の支援における新たな可能性
コミュニケーション症群の特性は一人ひとり異なりますが、Zoomを用いたオンラインカウンセリングは、場所や時間の制約を越えて、より個別化された柔軟な支援を提供する可能性を秘めています。言葉やコミュニケーションに困難を抱える方が、安心して自分自身を表現し、それぞれのペースで成長していくための一歩として、オンラインカウンセリングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。